「ビルから飛び込んだ時、お父さんの声が聞こえたんでしょ?その時、飛び降りたことを一瞬後悔したんでしょ?」

まるで今から言おうとした私の言葉を読んでいたかのような誠也さんの言葉。

一字一句全て当てられて、私も言葉を失う。

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と言うか、もう誠也さんには『私の考えていること』は全てお見通しなんだろう。
子供の私の考えていることなんて、大人の誠也さんには全てお見通し。

結局、『私は一人で生きていけない子供なんだ』って思ったから、最後は大好きなお父さんに『助け』を求めてしまったわけなんだし。

やっぱり『死ぬこと』が怖くてどうしようもなかったから、いつも私を助けてくれるお父さんの顔が浮かんだわけだし。

そこで初めて『涙』が出てきたわけなんだし・・・・・。

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バカだな、私って。

なんでもっと早く気が付かなかったんだろう。

なんで『死にたい』なんて思っちゃったんだろう。

なんでもっと自分に『素直』になれなかったんだろう。

どうして『助けて』の言葉の一つ、言えなかったんだろう。

・・・・・・・。

本当にバカだよ・・・・・私。