突然、誠也さんは私を見て驚いていた。
理由は、顔を赤く染める私が誠也さんの手を握っていたから。
誠也さん、全然状況を理解していない。
どうして私が誠也さんの手を握ったか。
それは、私にもわからない。
無意識な行動だったから、私にはわからない。
でも強いて理由を挙げるなら、『誠也さんがかわいそう』だと思ったから。
誠也さんはただ私と仲良くしたいだけなのに、それを私が嫌がるから。
誠也さん、ただ私を心配してくれているだけなのに。
だけど誠也さんが側にいると、『私の調子が狂う』というのが本音。
好きな本を読んでいても、隣に誠也さんがいると全然本に集中出来ないし。
全然本の内容が頭に入ってこないし。
だって、いつも気になっちゃうし。
ずっと前から誠也さんのことが好きだから、『好きな人が隣にいるから気が狂う』っていうか。
誠也さん、本当にカッコいいし。
・・・・・・・・。
そんな中、私はみんなに訴える。
『お腹が空いた』と、ワガママで生意気な小学六年生は訴える。
「早く帰りたいです。今日はお父さんのお寿司が食べたい」
昔、お父さんが言った。
『俺のお寿司を食べれるのは特別な日だけ』って。
よくわからないけど、お寿司は高いらしい。
だったら私、今日は『特別な日』にしたい。
今日を『忘れられない日』にしたい。
理由は、みんなの心の声が聞けたから。
お父さんが想うお母さんへの気持ち、誠也さんの私やお父さんへの想い。
そして、私自身もその『想い』がある事にようやく気がついた。
私、『みんなのことが大好きなんだ』って改めて思わされた一日だったから。
『お父さんに誠也さん、それといつも笑顔を見せてくれる武瑠がいるから頑張れる』って思ったから。
だから、『それだけで今日は特別な日と言えるんじゃないかな?』って。
忘れられない一日になったら、それはもう人生の宝物。
色褪せない、最高の思い出・・・・・・。
そんな私の意見にお父さんは賛成してくれる。
「そうだな。みんなで仲直りパーティって奴だな。誠也、寿司の握り方、一からもう一度教えてやるよ」
突然名前を呼ばれた誠也さんは、驚きながら言葉を返す。
「え、いいんですか?」
「お前には早く立派になってもらいたいからな。いずれは『空の婚約者』になってもらいたいし」
婚約者!?
お父さん、一言多い!
「お、お父さん!」
私の慌てた声に、誠也さんは笑う。
「あはは。まあ、俺は賛成っす。こんな優しい女の子、他にはいないですからね。空ち
ゃんが大きくなったら、また話そう」
「うう・・・・」
こんな時、なんて言葉を返したら良いのだろう。
言い返したいけど、その時の私には返す言葉の武器はまだ持ち揃えていない。
だから誠也さんの言葉を真に受けて、顔をさらに赤く染めるしか今の私には出来ない。
真っ赤な顔をバレないように、下を向く事しか出来ない。
・・・・・・・・・。
だけど、嬉しかった。
私が大好きな誠也さんからの言葉を聞けて、私は嬉しかった。
仮に嘘だとわかっても、当時の私を喜ばせるためだけの言葉でも、私は嬉しかった。
好きな人にそう思ってもらえるだけで、私は幸せ。
本当に幸せだった日だと振り返る・・・・。
・・・・・・。
理由は、顔を赤く染める私が誠也さんの手を握っていたから。
誠也さん、全然状況を理解していない。
どうして私が誠也さんの手を握ったか。
それは、私にもわからない。
無意識な行動だったから、私にはわからない。
でも強いて理由を挙げるなら、『誠也さんがかわいそう』だと思ったから。
誠也さんはただ私と仲良くしたいだけなのに、それを私が嫌がるから。
誠也さん、ただ私を心配してくれているだけなのに。
だけど誠也さんが側にいると、『私の調子が狂う』というのが本音。
好きな本を読んでいても、隣に誠也さんがいると全然本に集中出来ないし。
全然本の内容が頭に入ってこないし。
だって、いつも気になっちゃうし。
ずっと前から誠也さんのことが好きだから、『好きな人が隣にいるから気が狂う』っていうか。
誠也さん、本当にカッコいいし。
・・・・・・・・。
そんな中、私はみんなに訴える。
『お腹が空いた』と、ワガママで生意気な小学六年生は訴える。
「早く帰りたいです。今日はお父さんのお寿司が食べたい」
昔、お父さんが言った。
『俺のお寿司を食べれるのは特別な日だけ』って。
よくわからないけど、お寿司は高いらしい。
だったら私、今日は『特別な日』にしたい。
今日を『忘れられない日』にしたい。
理由は、みんなの心の声が聞けたから。
お父さんが想うお母さんへの気持ち、誠也さんの私やお父さんへの想い。
そして、私自身もその『想い』がある事にようやく気がついた。
私、『みんなのことが大好きなんだ』って改めて思わされた一日だったから。
『お父さんに誠也さん、それといつも笑顔を見せてくれる武瑠がいるから頑張れる』って思ったから。
だから、『それだけで今日は特別な日と言えるんじゃないかな?』って。
忘れられない一日になったら、それはもう人生の宝物。
色褪せない、最高の思い出・・・・・・。
そんな私の意見にお父さんは賛成してくれる。
「そうだな。みんなで仲直りパーティって奴だな。誠也、寿司の握り方、一からもう一度教えてやるよ」
突然名前を呼ばれた誠也さんは、驚きながら言葉を返す。
「え、いいんですか?」
「お前には早く立派になってもらいたいからな。いずれは『空の婚約者』になってもらいたいし」
婚約者!?
お父さん、一言多い!
「お、お父さん!」
私の慌てた声に、誠也さんは笑う。
「あはは。まあ、俺は賛成っす。こんな優しい女の子、他にはいないですからね。空ち
ゃんが大きくなったら、また話そう」
「うう・・・・」
こんな時、なんて言葉を返したら良いのだろう。
言い返したいけど、その時の私には返す言葉の武器はまだ持ち揃えていない。
だから誠也さんの言葉を真に受けて、顔をさらに赤く染めるしか今の私には出来ない。
真っ赤な顔をバレないように、下を向く事しか出来ない。
・・・・・・・・・。
だけど、嬉しかった。
私が大好きな誠也さんからの言葉を聞けて、私は嬉しかった。
仮に嘘だとわかっても、当時の私を喜ばせるためだけの言葉でも、私は嬉しかった。
好きな人にそう思ってもらえるだけで、私は幸せ。
本当に幸せだった日だと振り返る・・・・。
・・・・・・。