「まあ『恥ずかしい』と言うよりは空ちゃんは『高いところが苦手』だもんね」

・・・・・・。

もう怒った!

「誠也さん!やっぱり誠也さんとは仲良くしたくないです。すぐにいじめてくるし」

「だって空ちゃんの反応が面白いもん」

その誠也さんの言葉に、意地悪なお父さんも便乗する。

「そうだな!空の反応が面白いから、また肩車をして帰ろうか」

「お父さん!いや!」

再び逃げる私を無理矢理捕まえて、自分の肩に乗せるお父さん。
笑顔で私をいじめてくるお父さん。

私も嫌だから必死に抵抗する。
最悪落ちてもいいから、なんとかこの状況から逃げようとする。

高いところは本当に嫌いなのに・・・・・・。

・・・・・・・。

だけど、私はある事に気が付いたから抵抗をやめた。
いつもと違うお父さんの姿に、私はただただ驚く。

肩車しながら私を支えるお父さんの左腕には、私がずっと探していたものがある。

それは、お父さんとお母さんの『大切なもの』・・・・・。

「お父さんそれ・・・・」

お父さんは笑みを見せる。