赤崎水族館の名物でもあるペンギンショー。
これを見るために県外から駆けつけてくれるお客さんも多い。

でもそのペンギンショーの内容はかなり酷く、『飼育係の女性の掛け声を全て無視する』という自由極まりないペンギン達の姿だった。
勝手に餌は食べるし、勝手に水の中に入って泳いでしまうし。

おまけに飼育係の女性に理不尽なタックルまでするし・・・・。

だからそれはある意味、お笑いのコンサートを見ているみたいだった。
言うことを聞かないペンギン達にお客さんの笑い声は止まらない。

毎日毎回、ペンギンショーは笑いの渦に包まれる。
ここにいるみんな、とっても楽しそう。

基本的にはペンギン達は人間の言うことを聞かない。

だから今日の女性の飼育係以外が指揮しても、結果は同じ。
例えこの水族館の『偉いさん』でも結果は同じ。

でもそれを逆手に取り、ペンギンショーではそのワガママなペンギン達を指揮する観客を募集しているみたいだ。
ワガママなペンギンと触れ合えると言うこともあってか、応募者は以外と多い。

ちなみに今日のペンギン達の指揮者は、観客席から選ばれた南米出身の男性外国人。
元気なペンギン達に反抗されて、水の中に落ちてしまった。

なんだか凄く面白かったっけ。
外国人も凄く笑っていたし。

私も誠也さんもずっと笑っていたし。

まあでも、寒くなってきたから風邪引かなきゃいいけど・・・・。

そしてペンギンショーを終えた私達は水族館を後にした。時間はいつの間にか十二時を回っているし、私達は昼食へと移る。
楽しすぎて、時間が過ぎている事に全然気が付かなかった。

学校だったら昼休みの時間だろうか。
またお父さんが作ってくれたお弁当を捨てられるのだろうか。

って、考えるのはやめよう。