「誠也!空は見つかったか?」
「お父さん・・・・・?」
「空か?無事か?どこにいる?」
その声は私の鼓膜を破りそうな、大きな声だった。
スピーカーに切り替えているから尚更。
今一番聴きたくない声だから尚更・・・・・。
だから私はすぐに、誠也さんの携帯電話の『通話を切る画面』を押す。
そして案の定、誠也さんは慌て出す。
「あっこら!なんで切るのさ!」
お父さんの声は聞きたくない。
そういう意味で電話を切ったのに。
今度は電話越しじゃなくて、遠くの方からお父さんの声が聞こえて来る。
走りながら、大きな声で私の名前を呼ぶお父さん。
「空!無事か!?」
遠くの方から、お父さんが私の元へ向かって走ってくる。
真夏だから、お父さんの額には大量の汗。
・・・・・・。
もちろん私は逃げる。
お父さんと反対方向に逃げる私。
「あっ、こら空ちゃん!」
一方で、そう言った誠也さんは驚く。
逃げる私を捕まえようと手を伸ばしても、もう手遅れ。
でもお父さんは本気で逃げる私を追って来る。
私が遠くへ逃げても、お父さんは『本気』で駆け付けてくれる。
そして『自分のたいせつなものは、二度と離すか』とでも言うように私をキュッ抱いて、私を捕まえるお父さん。
私も大好きなお父さんに捕まってしまう。
「てめこの野郎!ちょこまかと逃げやがって!」
もちろん私は暴れる。
「いや!離してお父さん!」
「嫌だよーだ!お前は俺の『可愛い娘』なんだ。茉尋と俺の『大切なもの』なんだ。絶対に離すか」
「いや!いや!」
私はお父さんの胸の中で全力で暴れた。
全力で『嫌だ』と叫んだ。
全力でお父さんを拒んだ。
でも、何をしても効果はなかった。
何をやっても笑うお父さん。
本当にムカつく。
・・・・・こうなったら奥の手だ。
「お父さん・・・・・?」
「空か?無事か?どこにいる?」
その声は私の鼓膜を破りそうな、大きな声だった。
スピーカーに切り替えているから尚更。
今一番聴きたくない声だから尚更・・・・・。
だから私はすぐに、誠也さんの携帯電話の『通話を切る画面』を押す。
そして案の定、誠也さんは慌て出す。
「あっこら!なんで切るのさ!」
お父さんの声は聞きたくない。
そういう意味で電話を切ったのに。
今度は電話越しじゃなくて、遠くの方からお父さんの声が聞こえて来る。
走りながら、大きな声で私の名前を呼ぶお父さん。
「空!無事か!?」
遠くの方から、お父さんが私の元へ向かって走ってくる。
真夏だから、お父さんの額には大量の汗。
・・・・・・。
もちろん私は逃げる。
お父さんと反対方向に逃げる私。
「あっ、こら空ちゃん!」
一方で、そう言った誠也さんは驚く。
逃げる私を捕まえようと手を伸ばしても、もう手遅れ。
でもお父さんは本気で逃げる私を追って来る。
私が遠くへ逃げても、お父さんは『本気』で駆け付けてくれる。
そして『自分のたいせつなものは、二度と離すか』とでも言うように私をキュッ抱いて、私を捕まえるお父さん。
私も大好きなお父さんに捕まってしまう。
「てめこの野郎!ちょこまかと逃げやがって!」
もちろん私は暴れる。
「いや!離してお父さん!」
「嫌だよーだ!お前は俺の『可愛い娘』なんだ。茉尋と俺の『大切なもの』なんだ。絶対に離すか」
「いや!いや!」
私はお父さんの胸の中で全力で暴れた。
全力で『嫌だ』と叫んだ。
全力でお父さんを拒んだ。
でも、何をしても効果はなかった。
何をやっても笑うお父さん。
本当にムカつく。
・・・・・こうなったら奥の手だ。