「おいこら花音！やめろ！顔近づけてくるな！」

「嫌だ！だってかのん、りんりんのことが好きなんだもん。結婚したいと思っているもん」

「へ、変なこと言うな！ばかのん！」

「誰がばかのんなのさ！もう怒った。りんりんのファーストキス、奪ってやる」

「ちょ、かのん！やめろ！」

「ダメだよりんりん。今日は記念すべきかのんとりんりんの婚約記念日だから！」

「意味わかんない！ってか勝手に婚約記念日とか決めるな！あたしは許可を出した覚えはない！」

「まあまあ。いずれはりんりんはかのんの素敵なお嫁さんになるんから。りんりんが気に入らないならかのん、男装だってするよ？りんりん好みのイケメンになるよ？」

「そう言うことじゃない！ってか、りんりん呼ぶな！」

一方的に燐ちゃんを襲う花音ちゃん。
本気なのか、燐ちゃんの唇を奪おうとしている・・・・・。

まさか花音ちゃん、間違ってお酒を飲んだりしてないよね？
顔、少し赤いし。

ってかなんで、二人揃ってトイレから出て来たのだろう。
確かここ、男女共有トイレでトイレ自体も一つしかないのに。

ってか二人って、どんな関係なんだろう。

・・・・・・・。

頭痛くなって来た・・・・。

その光景に誠也さんも頭を悩ませる。

「改めて思うけど、空ちゃんの友達は個性的で愉快な人たちばっかりだね」

「私は平和に生きたいです・・・・・」

本当に平和に生きてみたい。
もっと言うなら、誰からも弄られずにのんびり生きたい。

ってか私をいじめないで欲しい。

まあ、それが楽しいからいいんだけどね。
こんな気持ち今まで感じたことがないし。

誠也さんに『飲み物は何がいい？』って聞かれたから、私はパイナップルジュースと答えた。

理由は炭酸が苦手だから。
炭酸と苦いコーヒー以外ならなんでもいいです。

ちなみに誠也さんはウーロン茶。
ここまで車で来たから仕方ないか。

それに誠也さん、実はあんまりお酒飲めないし。
誠也さん、過去にお父さんに何度か潰されて、お酒にいい記憶がなさそうだし。

そのドリンクが運ばれて来た。
軽く誠也さんと乾杯を交わすと、今度は料理が運ばれて来た。

何も頼んで無いの運ばれるってことは『コース料理』なんだろうか。
とにかくあんまり現状を理解していない私は頭の中がパンクしそうだ。

最初のコース料理である『トリュフとボルチーニ茸のキッシュ』ってなんだろう？
意味がわかんないです。

私にもわかりやすく『さんまの塩焼き』とかにして欲しかったって言うか・・・・・。
でもすごく美味しそうだ。

そんな見たことのない料理を眺めていたら、誠也さんは私に問い掛けてきた。

誠也さんはいつもの笑顔を見せてくれる