「あ!空ちゃんやっと来た!」
『やっと』と言う言葉がまた私の心をエグるが、その明るい女の子の声を聞いて私は安心した。
同時に私は顔を上げて、声の持ち主を確認する。
「海ちゃん!孝太くんも」
実は私は初めて見る海ちゃんと孝太くんの私服姿。
紺のカーディガンと白のワイシャツに大人っぽい藍色のスカートの海ちゃん、それと黒のセーターにジーパンの孝太くん。
そんな二人はまたしてもいつもの喧嘩を始める・・・・・。
「ちょっと聞いてよ。このゴリラ、年明けに家族でオーストラリアに行く予定があるのに行かないんだって。すっごく勿体無くない?」
ゴリラと呼ばれる孝太くんは答える。
「別にいいだろ?行かなくても」
「だーめ!ゴリラでも家族は大事にしないといけないし」
「って言われてもな・・・・・行きたくないし。女郎蜘蛛みたいな阿婆擦れねーちゃんと一緒に行きたくねーし」
「そんなこと言わないで!ゴリラのお姉ちゃん、みんないい人じゃんか!」
「あれは他所の顔だ。本心はめちゃめちゃめんどくさい奴らだよ。俺のことをバカにしてくるし。ってかてめー、何さっきからゴリラゴリラって連呼してんだよこのタコ」
「うっさいな!このクソゴリラ!家族旅行が嫌なら森にでも帰ってろ!」
「おいこらこの馬鹿タコ。てめえ、言っていい事と悪いことの違いもわかんねーのか?つかちょっと表でろ!」
「嫌だよーだ!孝太くんはゴリラなんだもん。ゴリラにクソゴリラ言って何が悪いのさ!」
「よし、歯を食いしばれ!ここで一発殴ってやる。タコみたいに喋れなくしてやる」
「だからタコ言うな!本当に頭にくるな!」
・・・・・・。
なんかいつもの二人に、私の心は癒された気がする。
一方で二人の話を聞いていた誠也さんは苦笑い。
「まあ放っておこう。幸せな時間を邪魔するのも良くないからね」
「はい・・・・・」
私と誠也さんは真奈美さんに案内されて、席に座った。
ゆったり出来そうな、肘掛付きの椅子。
店内にはお客さんはいない。
私と近い席で、ここでもう既にディナーを楽しんだ海ちゃんと孝太くんのみ。
と言うのも、このお店の閉店時間は夜の十時までだ。
九時以降になるとあまり人も街を出歩かないし、お客さんも帰り始める。
人の少ない田舎町だから尚更。
そしてその現実が私の心にまた罪悪感が募る。
今日はもう閉店したはずなのに、私のためにお店を開けてくれるとなったら申し訳ない。
ってか高校生って、『夜の十時以降の外出』ってダメじゃなかったっけ?
なんだか悪いことをしている気分・・・・・。
怒られなきゃいいけど・・・・
でもそんな私の気持ちを、私の友達が吹き飛ばしてくれる。
トイレから出てきた、私の友達が二人。
って、なぜか二人は抱き合っている。
まあ、燐ちゃんは嫌がっているけど・・・・・。
『やっと』と言う言葉がまた私の心をエグるが、その明るい女の子の声を聞いて私は安心した。
同時に私は顔を上げて、声の持ち主を確認する。
「海ちゃん!孝太くんも」
実は私は初めて見る海ちゃんと孝太くんの私服姿。
紺のカーディガンと白のワイシャツに大人っぽい藍色のスカートの海ちゃん、それと黒のセーターにジーパンの孝太くん。
そんな二人はまたしてもいつもの喧嘩を始める・・・・・。
「ちょっと聞いてよ。このゴリラ、年明けに家族でオーストラリアに行く予定があるのに行かないんだって。すっごく勿体無くない?」
ゴリラと呼ばれる孝太くんは答える。
「別にいいだろ?行かなくても」
「だーめ!ゴリラでも家族は大事にしないといけないし」
「って言われてもな・・・・・行きたくないし。女郎蜘蛛みたいな阿婆擦れねーちゃんと一緒に行きたくねーし」
「そんなこと言わないで!ゴリラのお姉ちゃん、みんないい人じゃんか!」
「あれは他所の顔だ。本心はめちゃめちゃめんどくさい奴らだよ。俺のことをバカにしてくるし。ってかてめー、何さっきからゴリラゴリラって連呼してんだよこのタコ」
「うっさいな!このクソゴリラ!家族旅行が嫌なら森にでも帰ってろ!」
「おいこらこの馬鹿タコ。てめえ、言っていい事と悪いことの違いもわかんねーのか?つかちょっと表でろ!」
「嫌だよーだ!孝太くんはゴリラなんだもん。ゴリラにクソゴリラ言って何が悪いのさ!」
「よし、歯を食いしばれ!ここで一発殴ってやる。タコみたいに喋れなくしてやる」
「だからタコ言うな!本当に頭にくるな!」
・・・・・・。
なんかいつもの二人に、私の心は癒された気がする。
一方で二人の話を聞いていた誠也さんは苦笑い。
「まあ放っておこう。幸せな時間を邪魔するのも良くないからね」
「はい・・・・・」
私と誠也さんは真奈美さんに案内されて、席に座った。
ゆったり出来そうな、肘掛付きの椅子。
店内にはお客さんはいない。
私と近い席で、ここでもう既にディナーを楽しんだ海ちゃんと孝太くんのみ。
と言うのも、このお店の閉店時間は夜の十時までだ。
九時以降になるとあまり人も街を出歩かないし、お客さんも帰り始める。
人の少ない田舎町だから尚更。
そしてその現実が私の心にまた罪悪感が募る。
今日はもう閉店したはずなのに、私のためにお店を開けてくれるとなったら申し訳ない。
ってか高校生って、『夜の十時以降の外出』ってダメじゃなかったっけ?
なんだか悪いことをしている気分・・・・・。
怒られなきゃいいけど・・・・
でもそんな私の気持ちを、私の友達が吹き飛ばしてくれる。
トイレから出てきた、私の友達が二人。
って、なぜか二人は抱き合っている。
まあ、燐ちゃんは嫌がっているけど・・・・・。