「でもアンチの存在を前向きに捉えれたら、『考え方』も変わってくるよ。だってアンチって、必死になって千尋達の『悪いところ』を探してコメントしてくれるじゃん。千尋から見たら、自分の『短所』を知るいい機会になるだろうし。変に悪口書く人もいるけど、『人生の貴重な時間を千尋のために使ってくれてありがとう』って思うし。千尋の悪口を書くために動画を再生してくれたら、千尋の収入が増えるだけだし。何よりアンチが書く千尋への悪口が拡散されて全国に千尋の名前が広がったら、ある千尋の勝ちみたいなものだし。『mahiroの楽曲に変な振り付けつけて踊っているのは誰だよ?』って、世間に思わせてくれた時点で『ありがとうございます!』って千尋は思うし」

その千尋さんの言葉を聞いて、私はさらに肩を落とす。

「なんか、頭が痛くなってきたかも・・・・・。千尋さんのメンタル、凄すぎる」

千尋さんは笑ってくれる。

「あはは!確かにそうかもね」

すっかり存在を忘れていた注文したサンドイッチに視線を移す千尋さん。

そして千尋さんの笑みがまた深くなる。

「じゃあ食べよ。ここのサンドイッチめちゃくちゃ美味しいから!」

「はい!」

すっかり『空腹』という現実を忘れていたけど、私も目の前のサンドイッチに視線を移すと急にお腹が鳴り出した。
流石に限界。

というか、すごく美味しそうだ。

レタスと玉子のサンドイッチやカツサンド。
すごく美味しそうに見える。

しかも牛カツだ。
すごく美味しそう。

早速私は「いただきます」の言葉と共にサンドイッチに手を伸ばす。
まずはレタスと玉子のサンドイッチ。

どうでもいいけど、私は一番好きなものは最後に食べる派だ。
お父さんが握ってくれたお寿司でも、私は一番好きな甘エビを最後に食べていたし。
私はレタスと玉子のサンドイッチを口に運んだ。
『美味しい』と食べる前からわかっていたけど、思っていた以上に美味しかった。

思わず『こんな美味しいサンドイッチ、生まれて初めて食べたかも』って言ってしまいそうなほど。

本当に美味しい。

ってかこんなお店、私が住む街にあったんだ。
『白町カフェ』すっごく気に入ったかも。

ここの金髪の女性の定員さんや黒髪の店員さん、すっごく綺麗だし。
それに元気で明かるい声がキッチンから聞こえてくるし。

・・・・・・。