「と言うわけで、服選びが終わりました!今もう更衣室に入って着替えてくれているみたいなんですけど、結局色々買って上下六種類くらい買っちゃいました!ちょっと買い過ぎた・・・・」

「あはは!確かに」

「まあでも新メンバーの子はもちろんあたしもよく知る子なんだけどね、全然お洒落しないオシャレ不細工だし。なんか『私服が一着しかない』ってこの前言っていたし。だからまあ『プレゼント』っていう意味で考えたらいいかなって」

「あー、それいいですね!ある意味最高のプレゼントですし」

「でしょ?」

最高のプレゼント?
いや、こんな高価な服、もらえないよ。

ってか流石に撮影上のセリフだよね?
そうだよね?

そんなことを考えていたら、撮影中にもバカにされた。

千尋さんの一言からそれは始まる・・・・。

「しかし遅いな。あの子、自分で服着れたっけ?」

「さあ?ってか新メンバーは何歳の子なんですか?まさか乳児?」

「えっとねえ、ピチピチのジェーケーです。ただ、脳みそは完全に小学生低学年。見た目もまだまだ子供っぽいし。胸ないし」

「あはは!チロルさん酷い!ってか覗いちゃう?」

「覗こ。行こ行こ」

そのチロルさんの即答の言葉と同時に、私は思い切って声を張る。

一応、渡された台本どおりのセリフ。

「だ、だめです!

私らしい慌てた大きな声に、チロルさんは笑ってくれる。

そして緊張する私の声に待ったをかけずに、撮影は続いていく。
「あはは!なんか喋ったね。新メンバー、実はあたしの実家のハムスターなのに。まさか喋るなんて」

真奈美さんも笑う。

「ハムスターはヤバイ!それじゃあこれからハムスターと一緒に踊るのですか?」

「そうなるね、隣にハムスター小屋でも置いてさ。うちのハムスター、小屋から出すとすぐに暴れるし」

「なんか想像したらめちゃくちゃシュールなんですけど!」

誰がハムスターだ。
また私のことをバカにしやがって。

・・・・・・。

どうやら私こと『sola』は動画内でもいじられキャラのようだ。
千尋さんと真奈美さん曰く、私はいじられている時の方が私らしさを一番演出できるらしい。

それと、『空の自慢出来る大きな武器』だってさ。
『輝ける瞬間』だってさ。

・・・・・・なんだか嬉しくない。