赤崎水族館。

そこは私の住む地元一番の観光地で、長寿のジュゴンや可愛らしいペンギンショーで有名な水族館だ。

それと嘘をついて一躍有名になった嘘つき水族館。

数年前のエイプリルフールに、ネッシーの子供を捕獲したと言う嘘丸わかりのガセ情報を発信。
でも本当はネッシーの子供ではなくジュゴンの子供と言う、ただの嘘つき商法。

ジュゴンの子供のが生まれたのがちょうど四月一日だっため、水族館はジュゴンを『ネッシー』と嘘をついてネット上で凄く話題に。

結局それがテレビでも大きく取り上げられて、後に『ネッシー』と名前を付けられたジュゴンの子供を見たいと全国からこの水族館にお客さんが殺到。

いつしか世界でも有名な水族館と変わっていた。
最近この街に外国人が多いのは、この水族館のなのかな?

そんな水族館の中はまるで、海の中にいるような気分だった。
巨大な水槽には沢山の海の生き物がいっぱい。

私からもいつの間にか笑顔が溢れているから、見たことのない私が現れる。
いろんな海の生き物に興味津々!

「すっごい!誠也さん!あの魚は何て言うのですか?あのコブの出来た大きな魚です」

「あれはコブダイだな。煮付けにしたら旨いよ」

「じゃああの蛇みたいな魚はなんですか?スゴい模様の」

「あれはウツボ。タタキにしたら美味しいよ」

「あれはなんですか?スッゴク大きな変な魚」

「マンボウかな?刺身してもいいけど、内蔵が一番美味しいらしいね。焼いて食べるのが一番いいとか」

教えてくれる誠也さんの言葉に、何かが違うと感じた私は首を傾げる。
そして苦笑い・・・・。

「流石誠也さん・・・・お寿司屋さんの人と一緒に水族館来たら食材として教えてくれるんですね」

誠也さん笑う。

「あはは。魚については色々と勉強したからな。だからこういう場所に来たら、まず目の前の魚は食えるか?って見てしまうんだ。職業病ってやつ」

「誠也さんもお父さんみたいに魚を捌けるのですか?」

「まあね。俺、昔から釣りが好きで釣った魚をよく捌いて食べてたし。昔から料理や魚には触れてきたって言うか」

「スゴい」

誠也さんの話を聞いて羨ましいと感じた私。
昔から特技あるって何だかカッコいいし。

「空ちゃんは何か特技あるの?」

「私は、特にないです。運動も勉強も対して好きじゃないですし。というか出来ないですし。成績も悪いですし・・・・」

「趣味は?」

「趣味、ですか?」

ふと休日の出来事を思い出してみたが、あまり記憶がない。
と言うか最近はずっと北條さんや小坂さんと遊んでいたため、趣味と言える趣味は特にない。

でも本は好き。
漫画はあまり読まないけど小説とか物語は好き。

それと寝て夢を見るのが好き。
何だか違う自分が現れたりして、夢の中で自分が冒険したりするから、寝て夢を見るのが好き。

ってそんなことを誠也さんに言ったら変かな?
ってか恥ずかしくて言えない・・・・。