「まあでも、真奈美も年上の千尋によく『うるさい』とか言っているけどね。人のこと言えない」

そう言ったのは私の叔母でもある宝千尋さんだった。
そして私と同じで、真奈美さんの被害者になっている千尋さん。

そんな千尋さんをターゲットに、真奈美さんは笑う。

「千尋さんはいいもん。何言っても許されるし。何より千尋さんはナメクジだし。ねー、空ちゃん?」

「そうですね!」

ナメクジと言う意味のわからない真奈美さんの言葉に私は疑問を抱いたけど、私は大きく頷いた。

理由は、真奈美さんが私をからかうのが好きなように、私も千尋さんをからかうのが好きだから。

でも直後、私は千尋さんに睨まれた。

そして短く怖い千尋さんの言葉・・・・。

「空、潰す」

「ご、ごめんなさい!って千尋さん!きゃはは!」

謝っても既に遅かった。
怒った千尋さんに私は背後を取られ、そのまま脇を中心にくすぐり攻撃を仕掛けてきた。

くすぐり攻撃は大嫌いだから私も我慢出来ず、暴れると同時に叫ぶような私の笑い声が響く。


ってか、本当にそれだけは勘弁して欲しいです・・・・・。

そしてそんな哀れな私の姿に、私の天敵の真奈美さんは嬉しそうだ。

「お、なんか空ちゃん楽しそう!」

どこが?

「楽しくないです!ってか真奈美さんはどっちの味方なんですか?」

私の言葉に、真奈美さんは考えるような仕草を見せると答える。

「うん?そうだね・・・・・みんなの敵かな?」

「あはは!真奈美っぽい!」

笑う千尋さんの言う通り、確かに真奈美さんぽいセリフだと私も感じた。
この人、仲間もあっさり裏切りそうだし。

何より人をからかう事なら、何を始めるか全く想像が出来ないし。

そんな真奈美さんは、未だに千尋さんに攻撃されている私を見て小さく笑う。

「でしょ?まあでも一つだけはっきり言えるのは、『空ちゃんの味方』ではないかな?この子はいじめて成長するタイプの子だし」

「意味わかんないです!きゃはは!」

お決まり事のように、真奈美さんは千尋さんと一緒に私を甚振って来た。
嫌がる私を捕まえて、二人で私をくすぐってくる。

ホント、頭おかしいよこの人達・・・・・。

「も、もうやめてください!あはは!」

「ほれ、ここがいいんか?こっちか?」

そう言って真奈美さんは私の胸にも手を出して来た。

ってかそれだけはやめて!