私、生きたい。

もっともっと、人生楽しみたい。

そして、みんなに認めてもらいたい。

成長したねって、言われたい。

それが今の私の夢だ。

未来のことなんて考えたこいとのない、美柳空のとても大きな夢。

絶対に叶えたい、私の夢!

「私、もっともっと頑張りたい。みんなの力になりたい!」

それはまた無意識の言葉だった。
心に決めた私の希望の言葉。

不思議と次々と出てくる私の想い。

そしてその私の声に、誠也さんも答えてくれる。

「そうこなっくちゃね」

そう言って、誠也さんは私の頭を撫でた。
まるで『こんな空ちゃんは初めて見る』とでも言うよな、誠也さんの嬉しそうな笑顔。

ってかそんな笑顔を見せてくれるなんて、めちゃくちゃ嬉しいかも。

そして千尋さんも嬉しい言葉を言ってくれる。

「頑張ろう空。千尋、空の力になれるならなんでもするよ!出来ないことでも、何とか頭使って頑張るから!だって、お姉ちゃんの娘なんだもん。千尋にとって大切な存在なんだもん。何より今までのお姉ちゃんへの恨み、全部空にぶつけてやるんだから!」

「ちょ、千尋さん!」

最後の言葉は余計だと、私は思わず身震い。
最近本当にどこに行っても『敵』しかいないと思わされる・・・・。

そんな中、千尋さんの心の声が聞こえて来た。
自身の過去を短く教えてくれる・・・・。

「千尋もあんたと同じ。お姉ちゃんが亡くなってから、いろんな人に励まされた。いっぱい支えられて、いっぱい力をくれた。みんなが千尋を助けてくれなかったら、間違いなく今の宝千尋はいなかった」

そう語る千尋さんはきっと、今の私を数年前の自分と重ねて見ているのだろう。
私のお母さんであり、自身のお姉ちゃんが亡くなって、千尋さんも相当辛かっただろうし。

私同様お葬式の時に、ずっと泣いていたのだろう。
そしていろんな人に慰めてもらっていたのだろう。

私によく似た人生を歩んで来た千尋さん・・・・。

そんな千尋さんは涙を見せながら、恐ろしいことを言ってくる。