「俺と千尋からのプレゼント。ネックレスと言う名の『首輪』だ。勝手に行動しないように、千尋と二人で選んだよ。君は全然オシャレしないオシャレ不細工だから、似合うと思ってね。そしてこれからは君は俺と千尋のペットだ。この首輪がある以上、勝手な行動は許さないからね」

誠也さん、相変わらず一言多いです。
いや五言くらい多いです。

いや、それよりこの人は一体私のことを何だと思っているのだろう。
私は人間なのに。

・・・・・・。

いい加減にしてください!

「わ、私は人間です!ハムスターとかペットみたいに言わないでください!」

「って言われてもなぁ。本当に空ちゃんは俺達の言うこと聞かないし。こうして『首輪』を付けていないと、どこかに行ってしまうし」

「嫌です!」

可愛い四つ葉のネックレスも、誠也さんのせいで台無しだ。
本当に『首輪』みたいに感じたから、私はその首輪を外そうとする。

けど・・・・。

「駄目。『勝手な行動は許さない』って言っているでしょ?」

私の手を握って、邪魔してくる誠也さん。
言葉通り、『勝手な行動は許さない』と私に訴える。

でも私はそれを拒否。

「うるさいです!」

そして誠也さんを睨んで言葉を続ける。

「と言うか『勝手な行動』って、これは私の人生なんです!誠也さんに色々言われたくないです!」

「あはは。まあ確かに」

苦笑いを浮かべて、珍しく私の言葉に納得してくれる誠也さん。
いつもなら『私を困らせること』だけを考えて、私に反論してくるのに。

何だか不気味だ。
いや、私も誠也さんの反論を待っているわけじゃないんだけど。

・・・・・・。

やっぱりこの人は頭がおかしい。
私のこと、本当にどんな目で見ているんだろう。

「じゃあその空ちゃんの人生、俺に捧げてくれない?」

「えっ?」

誠也さん今なんて?

「結婚しよ空ちゃん」

「は?はい!?」

・・・・・え?

待って。
何言ってるの?この人。

流石に冗談だよね?
すっごく真面目な視線で私を見つめているけど、流石に冗談だよね?

と言うか冗談って言って。
今の私、そんな気はないんだし。

・・・・・。

「本気ですか?誠也さん」

「まあ嘘だけど」

決めた。
とりあえず殴る。

気が済むまで殴ってやるから、こっちに来て!
流石にそれだけは許さない!

誠也さんの答えはそれが正しいのだけど、何だかムカつくから許せない!

私の心で遊ぶのだけは、絶対に許さない!

「誠也さん!許さないです。絶対に許さない!」

「あはは!やっぱり空ちゃんをからかうのは楽しいな」

私は手の届く範囲で、笑う誠也さんの腕や体をを殴り続けた。

本当は誠也さんを捕まえて、気が済むまでそのふざけた笑顔を見せれないほど殴ってやりたいけど、体が痛くて思った以上に自分の体が言うことを聞いてくれない。

一方の誠也さんはまるで『全然効いてません』とでも言うようなふざけた笑顔を私に見せてくる。

そしてまた私をからってくる。