「私、変われますか?」

将来の夢とか、未来の自分の姿なんて、私は想像したことがない。
だから『未来の話』をされても、私は答えられない。

そんな私の『変わりたい』という一言。
『自分の未来』のために、『自分を変えてみたい』という言葉。

そしてその私の言葉を聞いた誠也さんは、笑顔を見せてくれた。
いつも以上に晴れて見える、まるで太陽のような眩しい笑顔。

「『変われますか?』じゃない。『変わろう』。俺と一緒にさ」

俺と一緒に。

なぜだかその言葉がすごく嬉しく感じた。
これからも誠也さんがいてくれると思ったら、私は大きく頷いた。

同時に溢れる私の笑顔。

だけど、課題は山積みだ。

「でも具体的に何をしたらいいのか分からないって言うか」

その私の言葉に、誠也さんは笑った。
まるでその言葉を待っていたかのような笑み。

「そうだね。じゃあさっきの話の続きだ。『空ちゃんが本が好き』って言うのは分かったけど、体を動かすことは好きかな?」

「えっ?」

「例えば・・・・・・そうだね。ダンスとか?」

「ダンスですか? 」

「そう。俺の友達にスゴい人がいるんだ。まあ、空ちゃんから見たら『家族』みたいなものなんだけどね」

家族?

・・・・えっ?

「どういうことですか?」

「気になる?君のお母さん、茉尋さんの妹って言ったらいいかな?」

「えっ?茉尋お母さん?」

ここにきてお母さんの名前が出てくることに、私は驚きを隠せない。

というかお母さんの妹?

・・・・えっ?

そんな人、私は知らないのに。

・・・・・・・。

突然私の叔母は現れる。