私は今日長い眠りから目を覚ました。
気が付けば秋祭りから二週間も眠っていたらしい。

そして燐ちゃんと花音ちゃんの本音を聞いた。
『また友達になろう』って新しくスタートを切った。

二人とも、昔私に見せてくれた笑顔をまた私に見せてくれた。

それと海ちゃんと孝太くんは私に怒っていいた。
私を助けようと手を差し出したのに、私がそれを拒否したからもの凄く怒っていた。

でも最後は海ちゃんも孝太くんも笑ってくれたっけ。

そして、みんな改めて『友達』になった。
この世界に生きる私の大好きな大切な友達は、私にとって大切な存在。

みんなと再び会うのが楽しみな、今の私。

・・・・・。

でも大きな楽しいや嬉しいがあっても、正直言って今の私には何にも意味がない。
私の黒く荒んだ心は、全く浄化されない。

『人生が辛い』と感じることは何一つ変わらない。
「だったらさ、一度だけ本気で何かに頑張ってみない?そこで『生きたい』か『死にたい』かもう一度考えてみない?」

だから私、今の誠也さんの言葉にまた意地を張っちゃう。

頑固で素直になれない私。

「私にはそういうのは大丈夫です」

「じゃあ空ちゃんはどうするの?これからどうやって生きてくの?」

どうやって生きていく?
そんなの決まっている。

「自分一人で生きていきます。もう私、ひとりぼっちなんで 」

六年前、お母さんが突然の病気で亡くなった。
ダメな私を支えてくれたお父さんも弟の武瑠ももういない。

唯一の家族となったおばあちゃんには、もう迷惑をかけたくない。
おばあちゃん、鉄人みたいに現役の寿司職人だけど、本当はすごく腰を痛めているし。

情けない孫の私なんかの為に、時間を使って欲しくないのが今の私の気持ち。

だから私、仮に生きて行くとしたら一人で生きたい。
一人で生きて行くのが嫌なら、また自殺をすれば良いだけ。

今の私には選択肢は限られているし。
それ以外の選択肢私には無いはずなのに・・・。

・・・・・・。

本当にこの人はズルい。
いっつもいっつも、私の思考を邪魔して来る。

私に新しい道を作ってくれる。