そうやってこの病室の中にいる私の『友達』を眺めていた私。

そしてそんな私に、再び花音ちゃんは笑ってくれる。

「そらちゃんはいい子だ。自分を犠牲にする優しさがあるから、みんなも付いてきてくれる。みんな、そらちゃんと『友達』になりたがっている」

まるで他のみんなもその花音ちゃんの言葉を待っていたかのように、みんな私のいるベットの近くまで寄ってきた。
花音ちゃんもその仲間の姿を見て、また笑みを見せる。

今まで以上の、花音ちゃんの満面の笑顔。

「だから、これからはみんなで仲良くしようよ!ここにいるみんなは空ちゃんの事が大好きなんだからさ。大好きな仲間がいたら、自然と毎日楽しくなるんじゃないの?」

大好きな仲間。

それは目の前の川下海ちゃんと高林孝太くんに小坂花音ちゃん、そして北條燐ちゃんのことだ。
気が付けば『友達』になっていた、私の大切な存在。

ずっとこれからも一緒にいたい大好きな仲間達。

そしてその『仲間』がいるから、明日も頑張れる。

明日が楽しくなる。

・・・・・・・・。

「うん。そうだね」

大きく頷きながら、みんなに笑顔を見せる私。
まるで、『私の笑顔を見せて』ほしいと訴えるように・・・・。

と言うか、笑ったのっていつ以来だろ。
なんか遠くの記憶のように思えて、最後に笑った時のことが思い出せないや。

本当に覚えていない・・・・。

まあでも、いつでもいっか。
これで辛い記憶も忘れることが出来たら、私も前向いて歩いていけるし。

もう『死にたい』とか、嫌な思いはしなくてすむはずだし。

・・・・・・・。

でも私、頑張れるかな?