だったら『辛い今』は、『幸せな明日』にしないといけない。
それを変えられるのは、自分自身しかいないんだし。

自分の人生は自分で変えなきゃいけないんだし。

そう考えたら、私も負けていられない。

自分に負けてられない。

「うん!」

力強い私の返事。
それと私の笑顔にお父さんは安心してくれた。

そしてお父さんも笑みを見せて、いつものようにふざけだす。

「よし。誠也も分かったか?」

少し驚いた様子で答える誠也さん。

「あー、はい。って俺は将大さんに不満なんてないっすよ」

「本当か?嘘臭いな」

「仮に不満があっても空ちゃんがいる限り、俺も将大さんに付いていきますから」

「おおそうか。だったらもう空を嫁にしてやってくれ」

空を嫁?
お父さん、何恥ずかしいことを言っているの?

「お父さん!誠也さんは彼女がいるんだし」

私は大声で否定するも、何故だか誠也さんは笑顔だった。
同時に誠也さんはめちゃくちゃ恥ずかしいことを誠也さんは言ってくる。

「まあでも、空ちゃんが俺のお嫁さんになってくれたら、俺は嬉しいんだけどね。空ちゃんが奥さんなら、いい家庭が築けそうだし」

誠也さんは私の肩を叩いて口説いてくる。
そういえば誠也さんもお父さん同様に性格が腐っているんだっけ・・・・。

一方の私は顔を真っ赤に染めて否定する。

「へ、変なこと言わないでください!彼女さんが怒りますよ!」

「大丈夫。最近仕事でお互い会えないから、もうすぐ別れる予定だし」

「ちょ!ダメですよ!」

「ダメじゃない。明日のデートが楽しみだな。空ちゃんが行きたいところならどこでもいいよ」

何を言ったら誠也さんは納得してくれるのか考えたけど、それは『私を笑顔にさせるだけの罠』だと気が付いた私は何も答えなかった。

ホント意味わかんないよ・・・・。



こうして、私と誠也さんはカウンター席に座って明日遊ぶ場所を探した。

私の住む街は田舎街だけど、少しなら遊ぶ所もあるから、お互い行きたい所を口にする私と誠也さん。

何だか明日何をするかって決めるの少し楽しいかも。
少しだけど幸せな気分になれた気がする。

そして暗闇の中の私の人生、『一筋の光』が見えた気がする。
この『光』を見失わないように私は生きていく・・・・。