「空、ごめんなさい。本当にごめんなさい・・・・・」

無意識に呟いた言葉と、無意識の涙。
大きなあたしの涙は、そのまま空の額にポタポタと落ちていく。

大好きな友達の現状に、ただただ悲しい。

と言うか、泣く資格なんて本当にないのに。
あたしが空を追い込んだようかものなのに。

空を殺そうとしたのはあたし、北條燐なのに。

謝っても許してくれるはずないのに。

・・・・・・。

でも、ワガママなあたしがいる。
散々酷いことをしておいて、食い下がるあたしがいる。

『また美柳空と友達になりたい北條燐』がいる。

「あたしは空のことが好き!ずっとずっとこれからも友達、親友でいたい!」

龍と健斗が今度は空をターゲットにするって言うなら、あたしが空を守れば良かった。

ちゃんと空と向き合っていれば、こんなことにはならなかった。

嫌なことや言い訳なんてしなかったら、もっと明日は違う景色だった。

自分で自分に嘘付かずに、しっかり前向いて歩いていればこんな世界にはならなかった。

でも・・・・・。

それは全部結果論。
全部手遅れ。

今更あたしが何を言っても意味がない。
友達を『死』に追いやって、後悔してももう遅い。

足掻いても、言い訳してもその過去は変わらないし、その現実をを受け入れることしか人間には出来ない。

辛い過去やトラウマでしか残らない・・・・・。

だけど、あたし自身ははもうへこまない。
だって、花音や海や孝太と決めたんだ。

『絶対に空を連れ戻す』って。

『また一緒に遊ぶ』って!

そして空が目を覚ましたら、ちゃんと目を見て謝ろう。
今まであたしがしたことを、全て謝ろう。

じゃないと、あたしも空と目を合わせて話が出来ないだろうし。
あたしだってはこれから前向いて歩いて生きていきたいし。

そこには空も一緒に居て欲しいし。

また空と笑って過ごしたいし・・・・。

何よりあたし、『人生どんなことがあっても負けない』って決めたし!
だから、あたしがこんなことを言うのも変だけど、空ももう一度頑張ろうよ!
あたし達と一緒に頑張ろうよ!

空も自分に嘘つかないでさ。
『辛い』なら『辛い』って言ってよ。

ってか、言ってくれないと分かんないじゃん、バカ。
あたし、空じゃないんだから、『空の気持ち』なんて分からないんだし。

海と違って、人の気持ちを読み取るのが苦手だし。

ってホント、空をいじめていたあたしが何偉そうに言っているんだよね。

でもこれだけは空に伝えたい!

あたしの今の気持ちだけは寝たままの空にも知って欲しい。