「改めて、宝千尋です。職業はネット上で踊っている動画クリエーターです。躍り手ってやつです。その時はチロルって名乗ってます。ちなみにチロルはお姉ちゃんが私の名前をいじって作ってくれた名前です」

彼女の情報について何もあたしにはよく分からない自己紹介だった。
あたしの頭の中は疑問符だらけ。

でも次の千尋さんの言葉だけはすぐに理解した。

耳を疑う彼女の次の言葉。

「あと、空ちゃんの伯母です」

「えっ？空のですか？」

思わずあたしは反応してしまった。

だって叔母って・・・え？
『空の両親の姉妹』ってことだよね？

ってか若過ぎない？
空の両親の年齢を把握していないからなんとも言えないけど。

ってか千尋さん、空のお姉ちゃんにしか見えないんですけど・・・・・・。
まだ二十代前半にも見えるし。

って、・・・・え？

そうやって一人混乱するあたしに千尋さんは笑顔を見せてくれた。

そして、空との関係を改めて教えてくれる。

「はい。空の母、茉尋の妹です」

「でも確か空のお母さんって・・・・・」

あたしの言葉に、千尋さんはまた笑みを見せる。

「六年前の空ちゃんの誕生日に、千尋の姉であり、空ちゃんの母茉尋は亡くなりました。と言うかもうすぐで七年になるのですかね？もうすぐ空の誕生日ですから」

空の誕生日。
この言葉が気になったが、それ以上に気になった事を孝太が聞いてくれる。

「でも空と千尋さんって、あんまり年は離れていないですよね？千尋さん、若いですよね？」

「はい。今年で二十五ですから、誠也と同じですね。ちなみにお姉ちゃんとは八つ年が離れてます。お姉ちゃん、十八の時に空を産みましたから」

その千尋さんの言葉にあたしは驚いたが、それ以上に海も驚驚いている。

「じゅ、十八？私で今十七歳だから・・・・すごい」

「お姉ちゃん、中卒で仕事してましたし。それに空を『産む』か『産まないか』で両親と大喧嘩してましたし。結局家出して、両親とは絶縁しましたし」

千尋さんは一度間を挟むと続ける。