「空のやつ、まだ時間かかりそうですか?」
孝太の言葉に、誠也さんは少し暗い声で答える。
「さあね。正直言って俺にも分からないよ。本当に、『いつまで眠っているんだろう』って不安になるよ」
「そうですか・・・・・」
誠也さんの言葉を聞いて、肩を落とす孝太。
まあでもその台詞を聞いても、誰も嬉しくはないよね。
空が眠ってから、一週間が経過した。
今も空は相変わらずベッドの上で眠ったまま。
ピクリとも動かないし、全く動く気配は感じられない。
手は凄く暖かいのに・・・・・・。
「お兄、なんか先生か呼んでたよ。空ちゃんのことでなんとか・・・・・・ってなんかいっぱいる」
部屋に入ってきてそう呟くのは、どこか誠也さんに良く似た女性だった。
お兄って呼んでいるから妹さんかな?
そしてその声に、すぐに海が反応する。
「あっ、真奈美さんお久しぶりです!」
「海ちゃん!元気している?孝太くんも」
「ご無沙汰してます」
軽く頭を下げて挨拶を交わす孝太と笑顔を見せる海。
この反応、どうやら海と孝太の知り合いらしい。
「んで・・・この子達は?」
女の人の視線は、海と孝太からあたしと花音に移った。
『初めまして』とでも言うような可愛らしい顔。
そんな彼女にあたしはすぐに自己紹介の言葉を探したけど・・・。
海が代わりに自己紹介してくれる。
「空ちゃんの友達。北條燐ちゃんに小坂花音ちゃん」
直後、彼女の表情が強ばる。
「北條燐に小坂花音ってまさか、空ちゃんをいじめていた子?また空ちゃんをいじめに来たの?」
「あっ、いや。そういうことじゃなくて!えっとその・・・・・」
何がこの質問に対して『正しい答え』なのか探したけど、見つからず・・・・・。
否定したいのは山々だけど、『否定しても信じてくれるのかな?』って思ってしまうし・・・・・・。
でも鈍感なあたしは、目の前の彼女の本質にまだ気が付いていない。
誠也さんの妹の真奈美(マナミ)さんは、あたしに笑みを見せてくれる。
「冗談、冗談。お兄から色々と聞いているから安心して。あと、空ちゃんのことも知らせてくれたもんね」
「は、はい・・・・・」
そうだ。
実はあたし、真奈美さんと一度会っている。
空が廃ビルから飛び降りようとするからあたし、たまたま見かけた海と孝太に助けを求めた際に、真奈美さんも居たんだ。
万が一のために真奈美さんは海と孝太とは別行動して、すぐに救急車とか呼んでくれたんだっけ。
空の意識があるのは、ある意味真奈美さんの迅速な判断のおかげ。
孝太の言葉に、誠也さんは少し暗い声で答える。
「さあね。正直言って俺にも分からないよ。本当に、『いつまで眠っているんだろう』って不安になるよ」
「そうですか・・・・・」
誠也さんの言葉を聞いて、肩を落とす孝太。
まあでもその台詞を聞いても、誰も嬉しくはないよね。
空が眠ってから、一週間が経過した。
今も空は相変わらずベッドの上で眠ったまま。
ピクリとも動かないし、全く動く気配は感じられない。
手は凄く暖かいのに・・・・・・。
「お兄、なんか先生か呼んでたよ。空ちゃんのことでなんとか・・・・・・ってなんかいっぱいる」
部屋に入ってきてそう呟くのは、どこか誠也さんに良く似た女性だった。
お兄って呼んでいるから妹さんかな?
そしてその声に、すぐに海が反応する。
「あっ、真奈美さんお久しぶりです!」
「海ちゃん!元気している?孝太くんも」
「ご無沙汰してます」
軽く頭を下げて挨拶を交わす孝太と笑顔を見せる海。
この反応、どうやら海と孝太の知り合いらしい。
「んで・・・この子達は?」
女の人の視線は、海と孝太からあたしと花音に移った。
『初めまして』とでも言うような可愛らしい顔。
そんな彼女にあたしはすぐに自己紹介の言葉を探したけど・・・。
海が代わりに自己紹介してくれる。
「空ちゃんの友達。北條燐ちゃんに小坂花音ちゃん」
直後、彼女の表情が強ばる。
「北條燐に小坂花音ってまさか、空ちゃんをいじめていた子?また空ちゃんをいじめに来たの?」
「あっ、いや。そういうことじゃなくて!えっとその・・・・・」
何がこの質問に対して『正しい答え』なのか探したけど、見つからず・・・・・。
否定したいのは山々だけど、『否定しても信じてくれるのかな?』って思ってしまうし・・・・・・。
でも鈍感なあたしは、目の前の彼女の本質にまだ気が付いていない。
誠也さんの妹の真奈美(マナミ)さんは、あたしに笑みを見せてくれる。
「冗談、冗談。お兄から色々と聞いているから安心して。あと、空ちゃんのことも知らせてくれたもんね」
「は、はい・・・・・」
そうだ。
実はあたし、真奈美さんと一度会っている。
空が廃ビルから飛び降りようとするからあたし、たまたま見かけた海と孝太に助けを求めた際に、真奈美さんも居たんだ。
万が一のために真奈美さんは海と孝太とは別行動して、すぐに救急車とか呼んでくれたんだっけ。
空の意識があるのは、ある意味真奈美さんの迅速な判断のおかげ。