「どう?りんりん。あたしと付き合ってくれる?」

「それはえっと・・・・・」

何一つ現状を理解してくれないあたしを、花音は待ってくれない。

そして段々花音の表情が怒っているように見えてきた。
早く言わないと、また襲われそう。

・・・・・・。

まあ、答えなんて何でもいっか。

「一旦保留で!」

案の定、花音は頬を膨らませて反論してくる。

「えー何それ!うみちゃんとこうたくんが付き合ったから、ここはかのん達も付き合うべきじゃないの?」

「それは違う!絶対に違う・・・・・多分」

だから、『付き合う』って男女の関係じゃないの?

あたし達、女同士だよ?
花音、今までどんな目であたしを見ていたの?

・・・・・・。

とりあえずあたし、落ち着け!

「とりあえず待って!花音の気持ちなんてあたし、考えたことなかったし・・・・・」

あたしは花音の不満げな表情を一度確認すると続ける・・・。

「だから一旦保留で!整理したいの」

花音は肩を落とした。
なんかごめん・・・・。

「うー。でも『保留』ってことは返事くれるんだよね?」

「う、うん。そうだね。言葉間違えたかも」

「こら燐!心の声が漏れている!」

「えっ!ああ!えっと!」

あたし、今何か言ったっけ?

そんなことを思いながら、あたしは自分のさっきの台詞を思い出す。
でも何一つ思い出せない。

本当に頭がパンクして花音に付いていけない。

一方の花音は、またあたしに対して怒り出した。
またあたしを押し倒して、今度は花音があたしをくすぐる。

って、それはやめて!