あたしは目を泳がせながら目の前の二人を確認。
少し前から付き合うようになった、凄く仲の良いカップル。

男の子の名前は高林孝太。
背が高く大きな体の彼は、少し大人っぽい思考の持ち主だ。

彼の考えていることはあまり高校生に思えない。

そして女の子の名前は川下海。
いつも似合ったツインテールを揺らす、明るく真っ直ぐな性格だ。

いつも空の事を心配する、空の友達に一番相応しい女の子。

そして『この二人をどう思っているのか?』って質問か。

答えるのは、凄く恥ずかしい・・・・・。

「あたしは、その・・・・」

確かに川下とは殴りあった仲。
高林とは川下をいじめた際に対立した仲。

正直言って、二人とも大嫌い。
顔なんて正直言って見たくなかった。

でも、実は今はそうは思えないんだ。
高林と川下を見たら、不思議と空と友達になった時の感情が再び甦ろうとしているんだ。

とても懐かしい、胸が踊るような気持ち。

だからこそ、あたしは答える。
『嬉しい』と『楽しい』がごちゃごちゃになった変な感情が心の中で暴れているから、あたしはその想いを伝える。

らしくない素直なあたしの想い・・・・。