彼らと児童養護施設で出会った。
二人はあたしが入る前からここに住んでいたっけ。

当時のあたしは大好きな家族を殺されて、『人」と言う生き物を信用することが出来なくなっていた。

だから本当は常に誰かが近くにいる養護施設なんて、あたしには凄く居心地は悪い。
施設のみんなは優しい人ばかりだけど、あたしから見たら最悪な場所。

でもそんなあたしに、優しい男の子が友達になってくれた。
カッコいい二人組の、年上の男の子。

名前は大橋龍と榊原健斗。
いつも人を避けている、ひとりぼっちのあたしに声を掛けてくれる、優しいお兄ちゃんのような存在。

龍と健斗とはすぐに打ち解けだ。
気が付けばあたしは二人の背中を追い掛ける日々。

家族を失ったあたしには、まるでお兄ちゃんのように思えて、二人とよく遊んでいたっけ。

小学生の時は、毎日一緒で毎日が楽しい。

だけど、その楽しいは長くは続かなかった。

ある日突然終わりを告げる。