だから二人とも、裏では『あたしに暴力振る最低な人間』だけど、表向きの評価は凄くいい。
本当はとんでもない最低な二人だけど、誰も龍と健斗を悪者だと信じてくれない。
表向きには凄く真面目な彼らだから、とても悪い奴等に見えない。
逆に助けを求めるあたしが悪者扱いだ。
『被害妄想』とか言われ、傷口を見せても『また階段で転けたの?』とか言われて、あたしの話を聞かずに絆創膏だけを渡されたり。
おまけに『二人に限ってそんなことをするわけない』と言われるのがいつものオチだ。
例えば、こんな風に・・・・・。
「あれ?元生徒会長に元副会長、・・・・なんで北條?」
そう呟いたのは高林だった。
学校内では凄く真面目な二人があたしをいじめている姿に、突然現れた高林は混乱。
と言うより、逆にあたしが二人をいじめているような目を高林は一瞬だけ見せた。
『北條、お前マジか・・・』とでも言うような高林孝太の冷ややかな目。
そんな高林を見て、龍は小さく笑う。
「あらら。学校一の不良の高林孝太もいたんだ。へぇ」
どちらが『本物の悪』なのか。
まるでその言葉を実現するために、龍はもう一つのコップを手に取った。
そしてそれを高林に見せるために、あたしにまた水を掛けようとしたけど・・・・・。
・・・・・・。
気が付けば、あたし達の行動に不審を抱いた人達が周囲に集まっていた。
『何かあったのか?』とでも言うような周囲の視線。
そんな視線に恐れたのか、龍は握っていた紙コップを元の場所に戻し、あたしを解放した。
そして最後に不気味な笑みを見せてくる。
「まあいいや。俺達忙しいし。また会ったら遊ぼうね。行こうぜ健斗」
「バイバーイ」
そう言って二人は周囲の視線を集めながら、この場を去った。
最初から何もなかったかのように、二人は仲良く会話しながら歩いていく。
やがて二人の姿は消えていった。
人の多い遊園地内では、もう会う確率はかなり低いだろう。
そんな二人が消えたのを確認した花音は、すぐにあたしの元へやって来た。
ホッとしたような表情と、悔しさが混ざったようなぐちゃぐちゃな花音の表情。
「燐、大丈夫?」
怪我はない。
濡れてちょっと寒いだけだから、あたしは無言で小さく頷く。
すると花音は急にあたしに抱き付いてきた。
涙を見せて、あたしの無事を喜んでくれる・・・・・。
「よかった!ホントよかった!」
「かのん・・・・」
花音は暫くあたしから離れなかった。
ずっとずっとあたしを抱き締めて泣いている。
あたしはと言うと、正直言って現状を理解するのに多少時間が掛かっていた。
龍と健斗が目の前にいて攻撃して来たこともそうだけど、やっぱり一番は花音の存在。
どんな最悪な状況でも、あたしのために戦おうとしてくれる花音。
実際に今日もすぐにあたしの元へ来てくれたし。どんな状況でもあたしを見守ってくれているし。
だから、『本当に花音だけは心から信用出来る親友』だといつも思わされる。
まるであたしの正義のヒーローみたい。
・・・・・・。
本当はとんでもない最低な二人だけど、誰も龍と健斗を悪者だと信じてくれない。
表向きには凄く真面目な彼らだから、とても悪い奴等に見えない。
逆に助けを求めるあたしが悪者扱いだ。
『被害妄想』とか言われ、傷口を見せても『また階段で転けたの?』とか言われて、あたしの話を聞かずに絆創膏だけを渡されたり。
おまけに『二人に限ってそんなことをするわけない』と言われるのがいつものオチだ。
例えば、こんな風に・・・・・。
「あれ?元生徒会長に元副会長、・・・・なんで北條?」
そう呟いたのは高林だった。
学校内では凄く真面目な二人があたしをいじめている姿に、突然現れた高林は混乱。
と言うより、逆にあたしが二人をいじめているような目を高林は一瞬だけ見せた。
『北條、お前マジか・・・』とでも言うような高林孝太の冷ややかな目。
そんな高林を見て、龍は小さく笑う。
「あらら。学校一の不良の高林孝太もいたんだ。へぇ」
どちらが『本物の悪』なのか。
まるでその言葉を実現するために、龍はもう一つのコップを手に取った。
そしてそれを高林に見せるために、あたしにまた水を掛けようとしたけど・・・・・。
・・・・・・。
気が付けば、あたし達の行動に不審を抱いた人達が周囲に集まっていた。
『何かあったのか?』とでも言うような周囲の視線。
そんな視線に恐れたのか、龍は握っていた紙コップを元の場所に戻し、あたしを解放した。
そして最後に不気味な笑みを見せてくる。
「まあいいや。俺達忙しいし。また会ったら遊ぼうね。行こうぜ健斗」
「バイバーイ」
そう言って二人は周囲の視線を集めながら、この場を去った。
最初から何もなかったかのように、二人は仲良く会話しながら歩いていく。
やがて二人の姿は消えていった。
人の多い遊園地内では、もう会う確率はかなり低いだろう。
そんな二人が消えたのを確認した花音は、すぐにあたしの元へやって来た。
ホッとしたような表情と、悔しさが混ざったようなぐちゃぐちゃな花音の表情。
「燐、大丈夫?」
怪我はない。
濡れてちょっと寒いだけだから、あたしは無言で小さく頷く。
すると花音は急にあたしに抱き付いてきた。
涙を見せて、あたしの無事を喜んでくれる・・・・・。
「よかった!ホントよかった!」
「かのん・・・・」
花音は暫くあたしから離れなかった。
ずっとずっとあたしを抱き締めて泣いている。
あたしはと言うと、正直言って現状を理解するのに多少時間が掛かっていた。
龍と健斗が目の前にいて攻撃して来たこともそうだけど、やっぱり一番は花音の存在。
どんな最悪な状況でも、あたしのために戦おうとしてくれる花音。
実際に今日もすぐにあたしの元へ来てくれたし。どんな状況でもあたしを見守ってくれているし。
だから、『本当に花音だけは心から信用出来る親友』だといつも思わされる。
まるであたしの正義のヒーローみたい。
・・・・・・。