「龍くん、次どれに乗る?」

「じゃあ・・・・鮫に乗ろうぜ。あの鮫を打ってポイント稼ぐやつ。あれならすぐに乗れるだろ?」

「いいね、賛成!」

それは男の子の声だった。
高校生の二人の男の子の会話。

聞き間違いだったら凄くよかった。
でも『大嫌いな奴等の声』に間違いない。

その声を聞くだけで、あたしの手が震えるから間違いない。

あたしは早く店内に戻って隠れようと思った。
早く花音達の元で震えて過ごそうかと思ったけど・・・・。

奴等に見つかってしまう。

「ってあれ?あそこに居るの燐じゃね?」

「うわっ、マジだ。ってかなんで?」

ヤバイ。
最悪・・・・。

脳裏にその言葉が浮かんだあたしは、まだ組んでいる水をそのままにして、みんなの元へ戻ろうとした。

みんなには迷惑をかけるかもしれないけど、とにかく奴等から逃げたいの本音。

なのに、いつも喧嘩で反射神経とか鍛えているせいか、男の一人はすぐに逃げるあたしを捕まえる。
腕を掴んでくる。

ホント最悪・・・・。