やがて待ち時間も全て終え、ジェットコースターに乗る時間がやって来た。
時刻はもう一時半。

って言うかお腹が空いた。
このジェットコースターを乗り終えたら、早くご飯を食べたい。

そんなことを一人思いながら、あたしは待ちに待ったジェットコースターに乗る。
今は『早くジェットコースターで気持ちをリセットさせたい』と思う自分がいる。

そしてあたしの隣には、花音が乗るものだと思っていた。
前の席には一緒にいるカップルが乗るのかと思ったけど・・・・。

「隣、勝手に座りますよ」

そう言って、川下は何故だかあたしの隣に座った。
ちょっと怒った顔で安全バーを下ろす川下海。

でもあたしと目線を合わせようとしない。

そんな川下にあたしは問い掛ける。

「なんで?お前は彼氏と乗れよ」

「別にいいでしょ?アンタと話がしたいんだからさ」

「あたしは嫌だ」

「私も嫌」

コイツ、何がしたいんだろう?

「じゃあ無視するね。しーらない」

そう言ってあたしは川下の居る方と違う方向を向いた。
コイツが隣に居ると本当に調子が狂うし、正直言って顔も見たくない。

と言うか早くジェットコースター動いてくれないかな?
ジェットコースターに集中したい。

そう心に思うと同時に、苛立ちが募るあたし。
無意識に貧乏揺すりをしてしまう。

だけど、そんなあたしに意外な言葉に耳に入ってくる。

耳を疑う隣の『友達』の言葉・・・・。