「あたしの暮らす施設の奴等。どうしようもないクズ野郎だよ」

花音の変わりにあたしが答えた。
高林の視線が花音からあたしに移る。

「クズ野郎?」

「ま、まあその辺で。りんりんも言いたくないことが沢山あるから」

花音はそう言ってあたしを庇ってくれるけど、あたしは別に話してもいいんだけどね。

あたしが施設内で『いじめにあっている』ことをさ・・・・。

まあでも、花音がそう言うならあたしは黙秘した。
何も言わずに、高林が持ち掛けた話を終わらせようとする。

一方の川下は話を聞いていたのか、聞いていないのかはわからない。

知らない顔を浮かべて、自分の携帯電話を触っていた。
携帯電話で何をしているのかは知らない。

そしてそれからみんな一言も喋らなかった。
各自携帯電話を触ったりして、ジェットコースターの待ち時間を潰していく。

残り三十分もあるのに、誰一人と喋ろうとしない。

空気はある意味『最悪』、だ。

遊園地に来て早々、『最悪』の空気・・・。

・・・・・・。

あたし達、何しに来たのだろう・・・。