あたしの名前は北條燐(ホウジョウ リン)。
赤崎高校に通う高校二年生で、空や花音と同じクラスの女子生徒。

そして空を地獄へ叩き落とした悪魔のような奴だ。
人として最低で、人の心を持っていない最低な奴。

空を自殺へ追い込ませたのは、あたしのせい・・・・・。

そんなあたしには『自分の家』と言う家はなく、親がいない子供達が集まる『児童養護施設』で暮らしている。
ここで暮らし始めて、もう六年くらい。

ちなみに『なんであたしがここで暮らしているのか』って言われたら、『あたしの家族が強盗に殺されたから』ってあたしは答える。

六年前のある日。出先から帰ってきたら、血塗れの家族の姿がそこにあったから。
ピクリとも動こうとはせずに、白い目で私を見ている私の両親にお姉ちゃん。

あの時の光景はホントよく覚えているし、多分一生脳裏から離れないだろう。

大好きな家族だったからなおさら・・・・・。

でも犯人はすぐに捕まって、事件も解決した。
よく分からないけど一瞬で事件は解決したんだっけ。

逃げようとした時に偶々外に警察官が居たんだっけ。
犯人も血塗れのだったし、結構間抜けな犯人。

事件は無事に解決した。

でもあたしの家族は、二度と帰ってこない。
同時に身寄りのいないあたしは、本当の『ひとりぼっち』になってしまった。

当時十歳のあたしを引き取ってくれる身内はは存在しない・・・。

それからあたしは『児童養護施設』に住むことになった。

毎日知らない人達囲まれて過ごす日々。
周囲にはあたしのように身寄りのいない幼い子供達ばっかり。

でも施設の人達はとても優しく、暗く心を閉ざしてしまったあたしに明るく優しく接してくれた。
あたしもすぐに明るさを取り戻し、施設での生活を明るく過ごせたっけ。

そして気が付けばあたしも十七歳。
今の生活に不満は無かったけど・・・・・・。

人生はやっぱり難しい。

『自分一人じゃ何も出来ない』といつも思わされる・・・・・・。