「私、孝太くんが好きかも」

「な、なんだよいきなり」

「素直な気持ちを伝えただけ。悪い?」

『嘘つくお前は嫌い』と言ったのは孝太くんだ。
だから私は素直な気持ちを伝えただけなのに・・・・・。

孝太くんは顔を真っ赤に染めて否定する。

「うるせぇ」

決めた。
孝太くんを殴ろう。

「うるせぇって何よ!私がせっかくバカゴリラの孝太くんへの気持ちを伝えたのに」

「おい誰がバカゴリラだ?この気持ち悪いタコ野郎」

「誰がタコ野郎よ!あと『気持ち悪』いは余計だから!」

「ってことはタコ野郎は認めるってことか?」

・・・・。

誰がタコ野郎だ!

「バカ!このクソゴリラ!」

そう言って、私は孝太くんに拳を下ろす。
怒りを露にする私。

孝太くんも必死に抵抗するけど・・・・。

「おいこら!殴るのはズルいぞ!痛って!」

私の本気の拳が孝太くんの頬に直撃した。

ざまあみろ!

「バーカ!私に逆らうからこうなるんだからね!もっと痛め付けてやる!」

「おいこら!テメェ、絶対に許さないぞ」

孝太くんはどんな反撃をしてくるのかと思ったら、急に私の両頬を両手で挟んできた。
力の強い孝太くんだから、その行動は少し痛いし、私は孝太くんから離れられない。

あとちょっと恥ずかしい。
私の顔が真っ赤に染まっていく・・・。

「ちょ!孝太くん!それは反則だって!」

「うるせぇ。人を殴っておいて、その台詞はないぞこら」

そう言う孝太くんは私に『頭突き』をしてくるのかと思った。

痛い仕返しをしてくるのかと思ったけど・・・・・。

・・・・・。

すごく嬉しい言葉だけが返ってきた・・・・。