「それで、その話の後は?」

その話、小坂に空ちゃんと北條を助けるように提案された時の話しだ。

「断ったよ。北條の過去や小坂の辛さは痛いほど分かったけど、私には『空ちゃんをいじめる奴ら』を助ける気にはならなかった。やっぱりまだ二人が許せなかった。でも、もしかしたらその時私が『いいよ』と一言言えば、こんなことにはならなかったかもしれない。空ちゃんは追い込まれることはなかったかもしれないのに」

私は唇を噛み締めると続ける・・・・。

「だからこそ、孝太くんの今朝の言葉が突き刺さったんだ。私、『空ちゃんの事を助ける』とか『友達』とか言ったけど、結局何もしてあげられなかった。ただ空ちゃんに『頑張れ』って言う『無責任な言葉しか掛けれなかった』って思うと、めちゃくちゃ悔しい。大好きな友達が困っているのに、指をくわえて見ているだけって、なんでそんなので『友達』って私は言えたのさ!頭おかしいでしょ。ホント、口だけの人間じゃん私。 小坂からの提案に乗っていれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに・・・・」

悔しい。
そして自分を殺したい。

でもそう感じても、私は『泣くこと』しか出来ない愚かな存在。

孝太くんの前で涙を流し続ける私・・・・。

・・・・・・・・。

と言うか、『泣く資格』なんてないのに・・・・。
私、空ちゃんに何もしてあげられなかったのに・・・・。

・・・・・・・。

孝太くんは意味のわからないことを言ってくる。