「ごめんね、空ちゃん」

無意識に呟いた私の言葉。
同時に涙が溢れ落ちる。

本当に本当に、『私は馬鹿』だといつも思わされる。
何一つ空ちゃんの力になってあげれない。

・・・・・・・。

いっそのこと、私が代わりに落ちたら良かったのに・・・・・。
本当に、それだけが後悔。

『私が死ねばよかったのに』って思うけど・・・。

「過ぎてしまったことは仕方ない。そこを悔やんでも過去は変えられない」

それは誠也さんの言葉だった。
私が顔を上げると、いつの間にか私を見て微笑む誠也さん。

誠也さんはまるで私の心を読んでいたかのように、言葉を続ける。

「でもさ、現状に反省して次に生かせば、『人は成長する』と思うんだ。悔やんだ事で頭を使うより、『これから自分は空ちゃんのためにどうするか?』って言う『逆転の発想』で物事を考えたら、いいと俺は思うけどな。その方が空ちゃんのためにもなるだろ?何より過去を悔やんで、空ちゃんのためになるの?」

誠也さんの言う通りだ。
確かにそうかも。

私が過去を引きずっても、空ちゃんの為には何にもならない。
今さら『ごめんなさい』と言う気持ちを空ちゃんに伝えても、空ちゃんは納得してくれないだろうし。

・・・・・・。

だったら誠也さんの言う通り、空ちゃんが目を覚ました時の事を考えないと。

して空ちゃんが居て『居心地のいい環境』を作らないと。
これからはもっと『未来の事』を考えていかないと。

新しい未来を見つけていかないと!

「私、やってみます!」

思いきって、私は空ちゃんの近くで叫んでみた。
そしたら驚いて空ちゃんが目を覚ますかな?って思ったりもしたけど・・・・・。

まだまだ先は長いみたい。

でもみんなは私のやる気に笑ってくれる。
ちょっと恥ずかしい気もするけど、それでもいい。

私自身も成長出来るならそれでいい。

「その気だよ。頑張ろ、みんなでさ」

「はい!」

誠也さんの言葉に、私は大きな声を返した。

頑張ったら必ず成果が出る訳じゃないけど、頑張らないと成果なんて絶対に出ない。

だったら、今は頑張るしかないのかも。
ただ目標に向かってガムシャラに前に進むしかない。

・・・・・。

でもその前に課題は山積み。