最初は北條と小坂と仲良く遊んでいた空ちゃん。
でもある日の出来事がきっかけで、空ちゃんは二人からいじめられるようになった。

クラスメイトからも酷い陰口を叩かれていた。

そのいじめと戦っている最中に、空ちゃんの弟がガンで亡くなった。
空ちゃんの弟の武瑠(タケル)くん、急に病状が悪化したらしい。

そしてその数日後には、お父さんが『交通事故』で亡くなった。
雨の中の夜の配達中に飲酒運転の対向車に巻き込まれて、お父さんは空ちゃんの前から姿を消した。

空ちゃん、その日からおかしくなっちゃったっけ。
学校にも来れなくなったし。

・・・・・・。

これらは全て短期間に空ちゃんの身の回りに起きたこと。
全て空ちゃんに降り注いだ災難。

と言うか小坂も同じことを言っていたけど、こんな人生普通は耐えられないよね。

私だったら嫌だ。
仮に『凪が病気で死んで、直美お姉ちゃんが交通事故で亡くなった』ってなったら私は耐えられない。

おまけに『学校でもいじめられている』って思ったら、自分の居場所はどこなのかわからないし・・・・・。

だから『死にたい』と思って、ビルから飛び降りて当たり前だよね。

だってそれ、『自分が生きていることを否定されている』ようなものだし。
自分の支えになってくれる人が次々に消えて、自分はいじめられるなんて、遠回しに『早く死ね』と言われているようなものだし。

そこから『元気出せ』とか、『立ち上がれ』とか言われたら、『ふざけんな』って言いたくなるだろうし・・・・・。

だからホント、『死んだ方が正解』だと思わされるよね。
『生きていても、いいことなんて一つもない』ってもう十分に理解しているだろうし・・・・・・。

・・・・・・・。

そんな空ちゃんに、私は何か力になることが出来ただろうか。
結局、孝太くんが言っていたように『頑張れ』と、心の中で応援していただけじゃないだろうか。

そんな関係で、本当に『友達と』言えるのだろうか?
結局私達、『その程度の関係だったんだ』って考えさせられるし。

『困っている友達を助けることすらしない関係だった』のかもしれないし。

・・・・・。

ほんと、私ってバカだよね・・・・・・。
結局、自分のことしか考えていない。

ホント、馬鹿だよ川下海は・・・・・。