これからお父さんの説教が始まるだろう。
こんな時間になっても連絡を入れずに帰らなかったから、お父さんに怒られるだろう。

私に向けて雷が落ちるだろう・・・・・。

でもお父さんの言葉の前に、私は聞きたいことがある。

「ってかお父さん、どうしててここに?」

私の質問は愚問のように感じたのか、お父さんは小さく首を傾げた。

いや、もうただの愚問・・・・。

「どうしてって、お前を説教するためだ。ったくよ、連絡なしでこんな時間までふらつきやがって。お前の携帯電話に連絡したら、何故か武瑠が出るし」

「せ、説教・・・」

私は慌てて公園内にある時計で時間を確認すると、いつの間にか八時半を回っていた。
高校生とはいえ、こんな時間まで連絡なかったらお父さんは心配するよね。

だから私は構えた。
ゲンコツでもなんでも来いと、お父さんの怒りを受け入れようとしたけど・・・・・。

「とりあえず無事でよかった」

その言葉と同時に、何故だかお父さんに頭を撫でられて、私は不思議な気持ちになった。
お父さんもホッとした表情。

そしていつもお父さんには素直じゃない私だけど、いつの間にか小さく頷く。

同時に目の前の男の人がお父さんだと理解した私は安心する・・・・。

「うん・・・・・」

ってか恥ずかしい!女の子も見ているんだし、頭を撫でないでほしい。
もう子供じゃないんだし。

お父さんは私から隣の女の子に視線を変えた。
そして優しく笑う。

「そっちの子も大丈夫か?」

そっちの子と呼ばれた女の子は、少し驚いた様子で答える。

「あっ、はい!私はこの通り元気です!あはは」

そうは言うが彼女、傷だらけだ。
私と同じ高校の制服もかなり汚れている。

笑顔も見せているが、多分無理矢理笑っているだけ。
本当は凄く辛いはず。

そんな女の子に、お父さんは提案する。

「よし!お前さんも一緒にウチに来い。寿司くらいなら奢るからよ」

「えっ?そんな、悪いですよ」

「いいからいいから。空の友達なら、いくらでもサービスするからよ」

『空の友達』・・・か。

ふと女の子と目があった。
中学生にも見える童顔な彼女は確か私と同じクラス、だったような・・・・・。

地毛だと思うけど、少し赤みの掛かった茶色の長い髪は二つにまとめている女の子。
いわゆる『ツインテール』だっけ?凄く可愛くて似合っている。

そんな彼女の名前は、なんだっけ?
まあ、話したことないから分からないや。

と言うかそれで友達か・・・。
もうわけが分からない・・・・・・。