「あーもう知らなーいよ!どっかいけクソゴリラ!」

最後の私の言葉に孝太くんにも火が付いたのか、孝太くんも言い返してくる。

「んだと?折角俺が励ましてあげに来たのに」

「『一人で登校したい気分じゃねえ』って言ったのは誰ですか?」

私の言葉に孝太くんの顔が少し赤くなった。
珍しい・・・。

・・・・・。

もしかして私、今なら珍しく孝太くんに一泡吹かせられるかも。
いつも知らない間に私は孝太くんにやられているし。

でも次の孝太くんの言葉で私も冷静さを失ってしまう。

私が大嫌いな言葉。

「おいこらこのタコ野郎!タコ殴りにしてやるぞこら!」

またタコ野郎。

あたまにきた!

「うるさいなこのクソゴリラ!暴力で何もかも解決できると思ったら大違いだぞ!ばーか!」

「一言多いんだよこのタコ野郎!」

前から気になっていたけど、そのタコって言葉は何なの?
アンタはゴリラみたいな見た目だから分かるけど、なんで私はタコなの?

絶対に許さない!

「だれかタコよ!ってかアンタ、タコタコうるさいよ!」

「あぁ?お前がタコだから仕方ねぇだろうが。たこ焼きばっか食ってるもんな」

たこ焼きばっか食べているか・・・・。
確かにそうかも。

だってたこ焼きを見るといつも孝太くんを思い出すし。

昔、孝太くんが私を励ますために買ってくれたのが、たこ焼きだったし。
その味が忘れなくて、今もずっとたこ焼きを追いかけているわけだし。

・・・・・・・。

なんて恥ずかしすぎて言えない・・・・。
言えるわけがない。

でも売られた挑発は買う。
やられるのは好きじゃない。

「美味しいからいいじゃんか!ってかそんなこと言うなら、孝太くんは死ぬまでたこ焼き食べたらダメだからね。食べている所見つけたら、ぶん殴るから」

「・・・・なんでそうなるんだ?まあ俺、実はたこ焼きあんまり好きじゃねえからどっちでもいいけど。むしろ嫌いだし」

たこ焼きが好きじゃない?
嫌い?

ふざけやがって。

「はいぶん殴る。たこ焼きをバカにする奴は許さない。次たこ焼きを残していたら絶対にぶん殴るから、いや、八つ裂きにしてやる!」

クソゴリラは鼻で笑う。

「おい意味わかんねえぞ。お前頭大丈夫か?食うなって言ったり残したら八つ裂きって・・・・。あほだな、お前」

あほ?

・・・・・・うるさい!
とりあえず殴らせろ!