「そうだね・・・・。私も空ちゃんの気持ちを何にも分かってあげられなかった。改めて振り返ってみたら、空ちゃんの声をちゃんと聞いてないし」

今思えば、空ちゃんと『ちゃんと話をしていない』と私は感じた。
孝太くんが言うように『空ちゃんの気持ち』とか、私は無視し続けていた。

ただただ『がんばれ』って、無責任に心の中で呟いていた。

そう感じた私なのに、孝太くんは何故だか首をかしげる。

「そうか?」

「・・・・は?」

私、間違ったこと言ってたかな?
私が空ちゃんの本音を知らなかったから、結果的にこうなったようなものなのに・・・・・・。

相変わらず孝太くんは優し過ぎる。

「少なくともお前には結構本音を言っていたと思うけどな。海の前じゃ、空も結構笑っていたし」

・・・・・・。

ホントにそうかな?
イマイチ納得出来ない孝太くんの言葉。

と言うか、どうやったら納得できるのだろう。
自分に嘘つくしかないのかな?

そんなことを考えていたら、孝太くんに違う話題を振られる。

「そういえばお前も昔から友達居なかったよな。昔から俺としか話していなかっただろ?なんでだ?女友達とかいないのか?」

「な、なんでって言われても・・・・」

話を急に切り替えられて戸惑う私。

と言うか今日の孝太くんとの会話、何だか掴みづらい。
急に話題を変えてくるし、全部私には難しい内容だし。

答えたくない内容もあるし。

と言うか、私のことなんて今はどうでもいいはずなのに。

・・・・・。

まあでも一応私も自分と孝太くんの過去を振り返ってみよう。

多少は気を紛らわせることが出来るだろうし。

・・・・・・・。