花火大会の陣地取り。

その言葉を実現するために、他の祭りに来ている人は草むらの上に腰を下ろしたりして場所を取っていた。
花火が上がる瞬間を今かと待ち続ける人達。

私達も空いてるスペースを見つけ、その場所に腰を下ろした。
ちょっと木の枝が邪魔をして見辛いけど、間もなく花火が上がるから仕方ない。

いい場所に陣地をとっている人は、かなり前の時間からいるみたいだし。
座れて見れるだけでもいいよね。

早速私達はその場所で腰を下ろした。
そして『疲れた』と言うような表情を見せる真奈美さん。

「あー、今日は楽しいな!お店で働くよりいいかも。なんか私も高校生に戻った気分」

その真奈美さんの言葉に、『今日は日曜日』だったと私は思い出す。
真奈美さんのお店、火曜日が定休日だったはずなのに。

「今日はお店やらないんですか?」

私の声に真奈美さんは頷いた。

「まあね。営業してもお祭りで殆どお客さんこないし。店で暇潰しするなら、私もお祭りに行きたいし」

「確かにそうですね」

私がそう言った直後、夜空にとても大きな七色に光る花火が打ち上がった。
十一月の秋に上がる花火は何だか新鮮さを感じるし、その鮮やかな七色の花火は荒んだ私の心を浄化してくれる。

真奈美さんも花火を見て笑顔が耐えない。

「おっ、始まった!相変わらず花火って綺麗だよね。まあこの季節だから寒いけど」

「確かにちょっと寒いですね」

そう私が答えた直後、何故だか真奈美さんは私に笑みを見せる。

「よし、じゃあ二人にここにいるって連絡しておいてね。私、まだ二人の連絡先知らないし」

連絡・・・・か。

「あっはい。でも実は私、携帯電話を家に忘れちゃって・・・・」

「えー!嘘でしょ?なんで携帯電話家に置いとくのさ。空ちゃんの携帯電話、武瑠くんとの思い出の物でしょ?」

「あはは・・・。そうですね」

・・・・・・。

そう言えばそうだったね。

「まあいいや。見るものは同じなんだし。あの二人、スッゴく仲が良いみたいだし。この花火でくっついちゃうかも」

私はすぐに苦笑いを浮かべて答える。

「あはは。ちょっとありえそうです」

「と言うか、『まだ付き合ってない』ってのが信じられないな。どっからどう見てもカップルにしか見えない二人なのに。空ちゃんもそう思うでしょ?」

「う、うん。そう、ですね」

・・・・・・・。

正直、もうどうでもいいかも。