こうしてまたしても、私は性格の悪い仲間に追い込まれてしまった。
ホントに、私の周りは『敵と言う味方』ばっかりだと、改めて思う。

と言うかなんでみんな、私を狙ってくるんだろう?

私、こんな自分を望んでないのに。

・・・・・・。

でも正義感の強い彼なら私を助けてくれるはず。
『困っている友達』の姿を見たら、すぐに助けてくれるはず。

「こ、孝太くん助けて!」

そう思った私は、慌ててもう一人の友達の名前を呼ぶ。
この中の唯一の男性に助けを求める。

でも・・・・・

「諦めろ、空。俺にはお前を救えねぇ」

扉の向こうにいる短い孝太くんの声に、私はただただ絶望。

「ちょ!孝太くん!」

と言うか孝太くん、私が服を脱がされているから、気を使ってくれて隣の部屋にいるのかな?
服を脱がされた私がいるから、この部屋に入ってこれないってこと?

いや、そんなのどうでもいいから!

・・・・いや良くないけど。

うう・・・。

一方の真奈美さんはいつの間にか私に抱き付いている。
ホント、今日は真奈美さんとの距離が近い。

「大丈夫だって。すぐ終わるから。ちょっと大人しくしてれば、いっぱいエサあげるから」

エサって・・・・。
この人はまた私をペットみたいに言ってるし。

もう絶対に許さない!

また真奈美さんに抵抗しようと思った。
喧嘩して返り討ちになっても、服だけは返して貰おうと私は考えたけど・・・・・。

・・・・・・。

「はいはい静かに。浴衣にシワが出来ちゃうでしょ?」

突然扉の先から現れた見覚えのある小太りの女性の姿を看た私は、大人しくなってしまった。
その私の姿はまるで、飼い主の姿を見て大人しくする犬そのもの。

そして目の前の女性は、青い浴衣を持って私に近付いてくる。
とても綺麗な紫陽花が描かれた浴衣。

と言うか、なんで秋なのに浴衣?
もうすぐ冬なのに。

と言うかもう冬。