「ちょ!真奈美さん!あはは!」

「空ちゃんみたいな可愛い子はくすぐりたくなる」

そう言って、再び抵抗する私を無視して私を後ろから抱き付く真奈美さん。

でもせめて片手に握るハサミは手放してほしい・・・・。

「ダメです!ハサミ持ってる内はダメです!あはは!くすぐらないでください!」

「えっ?聞こえないなー」

「真奈美さんのばか!鬼!」

「ばかとは何よ!私の方が年上で偉いんだぞ!」

「どこが偉いんですか!偉い人は勝手に人の髪を切ったりしませんし、人の服を脱がせたりしません!」

「はいはーい!うるさーい!とりあえず静かにしてね」

「ばか!真奈美さんのばかやろう!」
最終的には私は喧嘩するように暴れていたが、真奈美さんには何故か私の攻撃は全く通じない・・・・・。

真奈美さんもいつの間にか私の動きを止めて、また私の髪を切っているし。
私の大量の髪は、いつの間にか地面に落ちているし・・・・。

同時にどんどん変わっていく私の姿。
見たことのない自分の姿に困惑する私。

と言うか『変わる』なんて、私らしくない・・・・。

ちなみに髪を切るのに予め私の服を脱がしたのは、ただの真奈美さんに嫌がらせらしい。
私が笑わせるために、くすぐりやすく全裸にさせたとか。

ホントに、私の回りには頭のおかしい人ばっかり。

・・・・・。

ホント、常識外れなみんな行動に励まされてばっかり・・・・。髪を切った後は、体や髪を綺麗に洗って、私は久し振りにお風呂に浸かった。

そして真奈美さんに無理矢理人形のように服を着せられて、生まれて初めて真奈美さんにメイクをしてもらった。

今の私には何一つ分からない化粧道具を使って、髪に続いて私の顔も変化させていく真奈美さん。

ちなみに今日の服装は前に誠也さんと遊びに行った時の服装と同じだ。

ベージュのコートに白いブラウスに青いフレアスカートと言った私のお気に入りの服装。

なんでも後で着替えるから、今はこれでいいとか。

本当に真奈美さん、何を企んでいるのだろう。

すべての準備を終わらせたら、家を飛び出す私達。

向かった先は、もちろん誠也さんが待つ病院だ。
時刻は午後の一時三十分。

あと今日は十一月最後のの日曜日らしい。
ここ二週間もずっと引きこもっていたから、曜日感覚も時間感覚も曖昧な私。

そして久しぶりの外の空気に、何故だか新鮮さを感じた。
それとこの前と比べて冬らしい凍えるような風が吹いているから、何だか不思議な気分。

そういえばもうすぐで今年も終わりだっけ?

もうすぐクリスマスだっけ?

・・・・・。

まあどうでもいいけど。