「嘘だよ嘘。それは流石に冗談だって。学校あるもんね」

そう言いながら、切り落とされた私の髪を見て小さく笑った真奈美さんは、また私の髪に手を伸ばす。

また私の許可なく、勝手に髪を切ってくる真奈美さん・・・・・。

ちなみに勝手に人の髪を切ると、『傷害罪』か『暴行罪』と判断されるみたい。
今の私、真奈美さんに損害賠償を請求出来るみたい。

・・・・・・。

でもさ、たまには相手を信じてみてもいいよね。
まるで私自身が、私のお父さんやお母さんを信じていたように。

真奈美さんは私を励ましに、わざわざ私の部屋まで来てくれたし。

それに髪切ってみんなに笑われたら、その時は真奈美さんを恨めば良いだけの話だし。
勝手に切られたって、真奈美さんを睨んで、みんなを味方にしたらいいだけの話だし。

・・・・・。

と言うか私、最近誰かさんに性格が似てきたな。
なんか最近、いろんな人にやられてばっかだし。

私も『恨み』が溜まって性格が悪くなって来たのだろうか・・・。

最近自分がよくわからない。

「あれ？大人しくなった」

抵抗を一切しなくなった私の姿を見た真奈美さんは何やら嬉しそうな顔を浮かべていたから、私はヤケクソに答える。

「もう知らないです」

「またそんなことを言って。かわいいのう」

「うるさいです！」

切るなら早く切ってほしい。

そう訴えたいけど、真奈美さんはお兄さんの誠也さん同様に性格が腐っている。
いつの間にか『変質者』のように、私の素っ裸の体を触ってくる真奈美さん。

後ろからくすぐってきたり、急に私の胸を触ってきたり。

ホントこの人、頭おかしいよ。

ってかなんで私、裸なの？
裸にさせる意味ある？