「だったらここで死んでみる?」

「えっ?」

耳を疑った真奈美さんの言葉。
聞き間違えかと感じた私。

でもどうやら聞き間違えじゃないみたいだ・・・・。
「本気で死ぬ覚悟があるなら、私今ここで空ちゃんを殺すよ?」

空ちゃんを殺す。

その真奈美さんの言葉の意味を理解したけど、ピンとない私はまた抵抗しようとする。
ハサミの刃に動じず、また逃げ出そうと暴れてみるする。

でも真奈美さんは本気だ。
ハサミの刃を私の顔に当てて、物凄い怖い顔で私を睨み付ける真奈美さん。

「動いたら死ぬよ。それでも死にたい?」

そのハサミをそのまま下に引けば、私の顔は間違いなく出血するだろう。
頸動脈を切ってしまった私、間違いなく死んでしまうだろう。

死んでしまったらもう二度と美柳空として生きれないだろう。

・・・・・・。

ホント、情けないな私。

あれだけ『死』という言葉が恐れていたのに、いざ目の前に『死』という言葉が現れると、何も出来ない私。
目の前の恐怖に脅えて、『死にたくない』と感じる私。

『まだまだ生きていたい』と思う馬鹿な私がいる。

・・・・・・。

そして真奈美さんは、本気で馬鹿な私と向き合ってれた。

お風呂場に真奈美さんの声が響き渡る。