お父さんが亡くなってから、私は暫く学校に行かなかった。
唯一の家族なってしまったおばあちゃんに励ましてもらいながら、家に引きこもってしまった。

私のために暖かいご飯を作ってくれるおばあちゃんは、ずっと私に付きっきり。

そんなダメな私を励まそうと、海ちゃんや孝太くんが私の家にまで来てくれた。
相変わらず仲の良い二人は私のために楽しく場を盛り上げてくれるけど・・・・・。

担任の松井先生や真奈美さんも私の家まで来てくれて、私を笑わせようと色々と面白い話をしてくれるけど・・・・・。

・・・・・・。

結果は同じだった。
笑いたくないと思う意地っ張りな自分がいるから、誰にどれだけ励まされても結果は同じ。

もう昔と全く違う、まるで、脱け殻のような私。

ただただ生きる希望を失って、『無』の私。

何も残されていない・・・・。
そして月日は流れていつの間にか十一月ももうすぐ終わり。
気が付けばお父さんが亡くなってから二週間も経過していた。

無駄に一日が過ぎていく。

その間も私、ずっと家に引きこもっていた。
未だに心の傷口が治らず、『お父さんの死』について悲しみ続ける私。

でもいい加減しっかりしなきゃって思ったりもする。
みんなに気を使ってもらって、そろそろ私も笑わないとって思うけど・・・・。

そもそも私、『どうやって笑っていたっけ?』って疑問に思ってしまう。
数日前の自分が思い出せない・・・・。

・・・・・・。

どうやら私、『大きな闇』に飲み込まれて笑い方を忘れてしまったみたいだ。
今の私は自力で立ち上がることは出来ないし、周囲の力を借りても前を向くことが出来ない。

本当に、家に引きこもってしまった私・・・・・。

抜け殻のような私・・・・・。

・・・・・・。

だけどそんなある日、私が家を出る日がやって来た。

それは真奈美さんのある一言がきっかけだ。