「おばあちゃんはどうして笑顔なの?」

「知っておるか?笑顔は伝染するんじゃぞ」

病んだ私には、イマイチその言葉の意味が分からなかった。

だから私、おばあちゃんから目を逸らして小さく呟く。

「意味わかんないよ」

私の声におばあちゃんは大きな声で笑う。

「あはは!まあ、お前もそのうち分かる。最後にはお前も笑っとる」

私の心の闇をを払拭しようと、おばあちゃんは私の頭を撫でてくれた。

おばあちゃんの暖かい温もりに、気が付けば涙が溢れる私。

いつの間にか大好きなおばあちゃんに抱き付いて、声や涙が枯れるほど大きな声で泣く私。

静かな病院に、私の声がこだまする。

・・・・・・。

しばらく泣いてから、私はおばあちゃんに貰ったリンゴジュースのペットボトルを空けて、口に運ぶんだ。

何故だかスッゴク『美味しく』感じるのは気のせいかな?

そしておばあちゃんが隣にいてくれて安心したからか、いつの間にか私はおばあちゃんに持たれて寝てしまっていた。

大好きなお父さんの帰りを待ちながら、私はちょっと懐かしい夢を見ていた・・・・。