病院に着いたときには、日付は変わっていた。
本来なら寝ている時間帯だけど、今はそんなことどうでもいい。

ここは夜間も対応している病院だからか、ロビーに入っても受付には人がいた。

そして受付の人に事情を説明すると、私と真奈美さんはこの病院の奥の部屋に向かった。
ただただお父さんと誠也さんの無事を祈りながら、誰もいない病院の廊下を走る私と真奈美さん。

でも真奈美さんは私を奥の部屋の入り口まで連れてってくれると、すぐにこの病院を後にした。
お父さんと誠也さんは別々の病院に運ばれて別々に手術を行っているみたいだがら、真奈美さんは誠也さんのいる病院へ向かったみたい。

私をここまで送って、最後まで私に笑顔を見せて励ましてくれる真奈美さんがスゴく眩しかった。

まるで私の闇を灯してくれる『光』みたい。

真奈美さんも、本当はスゴく辛いはずなのに。
廊下の先にはドラマで見たことのある『手術中』と赤い光に灯された部屋があった。
部屋の先の様子は私にはわからないけど、凄く異様な雰囲気が漂ってくる。

そしてその中に、生死を争っている状況のお父さんがいるのだろう。
必死に『また生きよう』と頑張っているのだろう。

その現実に私はまた心を痛める・・・・・。

お父さんはずっと私を支えてくれたヒーローだったのに・・・・。

・・・・・・。

出前の最中に『交通事故』に巻き込まれたお父さんと誠也さん。
詳しいことはまだ何も聞いてないけど、誠也さんもよりお父さんの方が重症らしい。

真奈美さんの話によると、お父さんと誠也さんは対向車のよそ見運転に巻き込まれてしまったようだ。
その中でもお父さんは対向車の衝撃を直接受けてしまったとか。

ちなみに相手のドライバーはかなりお酒を飲んで運転していたらしい。
台風を思わせる気候の中での飲酒運転で、相手のドライバーは奇跡的に無事で怪我一つないらしい。

・・・・・・。

と言うかもう大切な人が亡くなるのは嫌だな。
お母さんに武瑠に、もしかしたらお父さんに大好きな誠也さん。

もう耐えられないよ・・・・・・。