「今警察から電話あった。お兄ちゃんと将大さん、対向車に巻き込まれて『事故を起こしちゃった』って。二人とも『意識不明』で、かなり『重症』だって」

その真奈美さん言葉は、今の私にはすぐに理解できた。
心を痛める私には、何故だかすんなりと頭の中に入って理解していた。

なんか知らないけど、『最近こう言うこと多いな』って、まるで他人事のように最悪な状況を受け入れる私。

だから、思わず言葉が溢れる。

「あっ、そうなんですか。それは、困ったな・・・・」

でも本当は、その『最悪な状況』を噛み殺して、『我慢』しているだけ。
最悪な現状が続くから、また泣き出しちゃいそうだったから『無理矢理強がっている』だけ。

大切なお父さんと大好きな誠也さんが『意識不明の重症』だと言う現実に飲み込まれると、私がおかしくなると思ったから。

『自分が自分じゃいらなくなる』と思ったから・・・・・。

だからここはあえて元気を出そうと思って、逆に笑ってやろうかと思ったけど・・・・・。

・・・・・・。

やっぱり耐えられない。
今回は簡単に現状を受け入れることができてしまったから、耐えられるわけがない。

そして無意識に涙が溢れて、絶望に染まる私。

目の前が真っ白になる私。

・・・・・・。