そして更に時間は流れて時間は十時になった。

おばあちゃんは全てのお寿司を握り終わり、カウンター席に座って一息ついていた。
流石に疲れているのか、腕を組んで目を瞑るおばあちゃん。

一方のお父さんと誠也さんは各自の仕事が終わったみたいだが、最後にもう一仕事。
このお寿司をお客さんの元へ届ける仕事が残っているみたいだ。

夜になるとかなり寒くなるから、上着を羽織る誠也さんとお父さんは、私に手を振ってくれる。

「悪いな空、ちょっと出てくる。結構遠いから、帰ってくるのは遅くなるかもしれねぇ」

「うん。私は大丈夫。気を付けてね」

「おう」

お父さんに続いて誠也さんも私に手を降ってくれたから、私は手を振り返す。

そして仕事用に中古で買った車に乗り込むお父さんと誠也さん。
運転席には誠也さんが座って、助手席にはお父さん。

ちなみに後ろの席にはおばあちゃんが握ってくれた大量のお寿司が積まれている。
いつもは一人で出前に行くけど、量が多いから今回は二人で行くみたい。

目的地に着いてからも、お寿司を運ばないといけないみたいだし。
なんだか大変そうだ。

お寿司屋さんと私の家までは歩いて帰れないこともないが、歩いて三十分くらいとちょっと遠い。

だから私はお店を閉めて家に帰るお父さんやおばあちゃんと一緒に帰っている。
お父さんの運転する車で家に帰るから、家まで一瞬で帰れるし。

何より運動が苦手な私は三十分も歩くのはちょっとしんどいし・・・・。
それに今日は疲れている。

早く帰ってお風呂に入って寝たいかも。
最近寝れていない日々が続くし。