『寿司処みやなぎ』には、全部で九席のカウンター席と三部屋の個室がある。
八人席の個室が一つと、四名席の個室が二つ。
でもその二つある四名席の片方の個室は、お客さんを入ていない。
他の席が埋まってもお客さんを入れることはないし、今後も入れるつもりはない。
理由としては、その個室は『従業員の休憩スペース兼事務室』のようになってしまったから。
テレビを置いたり、各自の私物や仕事用のパソコンが置いてあったり。
お昼寝用の毛布があったり。
それとお父さんや誠也さんは、ここで事務仕事をしていたりする。
お客さんのいない営業が暇な日は、よくこの部屋で伝票に向かって事務仕事をしているし。
私もその部屋は私もよく使っている。
それと今日のような学校帰りに、一人で晩御飯を食べたりするときに私は使う。
昔は家でお母さんと一緒にご飯を食べていたけど、お母さんが亡くなってから晩御飯は寿司屋さんで食べるようになった。
仕事の合間を見つけて、お父さんは私のために晩御飯を作ってくれる。
だから今日もその部屋に入ると、私の晩御飯が並んでいた。
お盆の上のラップに包まれた料理が私の晩御飯。
今日はコロッケとお味噌汁みたい。
お客さんに出すように綺麗に盛り付けられたコロッケはとても美味しそう。
何のコロッケなんだろうか。
・・・・・・。
でもやっぱり食欲がないのが現状。
お父さんが私のために作ってくれた晩御飯なのに、食べたくない自分がいる。
こんなときこそ元気を出さないといけないのに、またお父さんや誠也さんに心配されちゃう・・・・・。
・・・・・。
「いただきます」
私は無理矢理席に座ると、小さくそう呟く。
同時に私は重たい箸を動かす。
味噌汁もコロッケも冷めているけど、暖める気力がない私はそのままゆっくりコロッケを口に運んだ。
コロッケの正体はカニクリームコロッケで、味はスッゴく美味しい。
お味噌汁も色んな具材が入った赤出しで、スッゴく美味しかった。
今日は私の大好きなさつまいもの味噌汁だから、スゴく嬉しい。
でもやっぱり食欲がないのが現状の私。
気が付けば箸が止まり、『ちょっとしんどい』と思う自分がいる。
テレビから聞こえるバラエティー番組の明るい出演者の声は、今は雑音にしか聞こえない。
隣の部屋から聞こえてくる賑やかなお客さんの声も、ただうるさいだけ。
でもおばあちゃんの声はしっかり聞こえた。
私のいる部屋に顔を出す、まるで魔女のような少し変わった雰囲気の私のおばあちゃん。
「空。おかえり」
「ただいま・・・・」
おばあちゃんの声に元気のない声で返してしまう私。
ちょっと情けない。
八人席の個室が一つと、四名席の個室が二つ。
でもその二つある四名席の片方の個室は、お客さんを入ていない。
他の席が埋まってもお客さんを入れることはないし、今後も入れるつもりはない。
理由としては、その個室は『従業員の休憩スペース兼事務室』のようになってしまったから。
テレビを置いたり、各自の私物や仕事用のパソコンが置いてあったり。
お昼寝用の毛布があったり。
それとお父さんや誠也さんは、ここで事務仕事をしていたりする。
お客さんのいない営業が暇な日は、よくこの部屋で伝票に向かって事務仕事をしているし。
私もその部屋は私もよく使っている。
それと今日のような学校帰りに、一人で晩御飯を食べたりするときに私は使う。
昔は家でお母さんと一緒にご飯を食べていたけど、お母さんが亡くなってから晩御飯は寿司屋さんで食べるようになった。
仕事の合間を見つけて、お父さんは私のために晩御飯を作ってくれる。
だから今日もその部屋に入ると、私の晩御飯が並んでいた。
お盆の上のラップに包まれた料理が私の晩御飯。
今日はコロッケとお味噌汁みたい。
お客さんに出すように綺麗に盛り付けられたコロッケはとても美味しそう。
何のコロッケなんだろうか。
・・・・・・。
でもやっぱり食欲がないのが現状。
お父さんが私のために作ってくれた晩御飯なのに、食べたくない自分がいる。
こんなときこそ元気を出さないといけないのに、またお父さんや誠也さんに心配されちゃう・・・・・。
・・・・・。
「いただきます」
私は無理矢理席に座ると、小さくそう呟く。
同時に私は重たい箸を動かす。
味噌汁もコロッケも冷めているけど、暖める気力がない私はそのままゆっくりコロッケを口に運んだ。
コロッケの正体はカニクリームコロッケで、味はスッゴく美味しい。
お味噌汁も色んな具材が入った赤出しで、スッゴく美味しかった。
今日は私の大好きなさつまいもの味噌汁だから、スゴく嬉しい。
でもやっぱり食欲がないのが現状の私。
気が付けば箸が止まり、『ちょっとしんどい』と思う自分がいる。
テレビから聞こえるバラエティー番組の明るい出演者の声は、今は雑音にしか聞こえない。
隣の部屋から聞こえてくる賑やかなお客さんの声も、ただうるさいだけ。
でもおばあちゃんの声はしっかり聞こえた。
私のいる部屋に顔を出す、まるで魔女のような少し変わった雰囲気の私のおばあちゃん。
「空。おかえり」
「ただいま・・・・」
おばあちゃんの声に元気のない声で返してしまう私。
ちょっと情けない。