「うわー、焦げた。これって川下のせいじゃないの?」

その声の持ち主は、北條さんだった。
北條さんは真っ黒に焦げたハンバーグを見て、洗い物をしているだけの海ちゃんを睨み付ける。

でも気の強い海ちゃんも、北條さんを睨み返す。
そして洗い物の手を止めて、ちょっと強い口調で言い返す海ちゃん。

「私、北條に何も指示してないんだけど?なんで私のせい?」

北條さんは酷い言葉で言い返す。

「お前の顔がキモいから」

そしてそう言った北條さんは、同じ班にいる仲のいい同じクラスの女の子と一緒に笑い始めた。
海ちゃんをバカにして笑う最低な北條さん。

一方で海ちゃんも我慢の限界が来ているのか、落ち着きがなく震えている海ちゃんの声。

「そ、それと今の調理がどう関係あるの?自分の実力がないだけじゃないの?なんでもかんでも人のせいにしないでくれるかな!?」

「うっせーなブス!お前の存在が目障りなんだよ!邪魔するな」

「はあ?アンタがもっとマシな人間になればいいだけの話じゃないの?」

「マシな人間ってどんな人間?空みたいな無愛想なロボット人間?」

そう言ってまた笑い始める北條さん。私の存在を嘲笑う北條さん。

そんな北條さんが許せない海ちゃんは洗い物を止めると、未だに真っ黒なハンバーグを焼く北條さんに向かって飛び付いた。
拳を握り締めて、『絶対に許さない』とでも言うように北條さんに飛び掛かる海ちゃん・・・・。

同時に教室内が最悪の空気に変わる。
火や刃物を使う教室内だから、どんどん悪い方向に物事は進んでいく・・・・・・。

・・・・・・。