午後一時半。午後の授業の時間だ。
選択科目で料理科を選んだ生徒は、制服の上から家から持ってきたエプロンを身につける。
私や海ちゃんもその中の一人。

選択科目は学年全体で行われるため、私達のいる『調理室』には違うクラスの生徒がたくさん集まっていた。
殆ど知らない生徒ばかりで、調理科の生徒はは全部で二十人くらい。

そしてその中から、先生が勝手に組んだチームに分かれる私達。
クラスバラバラの、全く知らない生徒達に囲まれる私。

同じ班には海ちゃんはいないから、班の中でもいつものようにひとりぼっちの私。

ちなみに今日のメニューはハンバーグステーキだ。
午後からの授業のため、昼休みにお昼ご飯を食べていない生徒が殆ど。

だからあちこちから『お腹すいた』と言う生徒の声や、お腹の音があちこちから聞こえてくる。

私はお腹が空いているのかすら分からない。
今日の海ちゃんが心配で、自分自身なんてどうでもいい。

・・・・・・。

と言うか早く一人になりたい。

それに、早く学校終わんないかな?
不安な私の心を取り巻く真っ黒な影が、今朝から全く消えない。