「よかった(笑)」
理人はジュースを口に含んだ
「暑っ」
全力ダッシュで階段を走ってきた僕はブレザーのネクタイを少し緩めた
「これ、使って」
彼女はタオルハンカチを差し出してくれた
「いいよ、冬だからすぐ汗はひく」
「だから風邪ひくんだよ、私の為に走ってくれたんだから……」
ハンカチを顔のところまで持ってこられて受け取るしかなかった
「……ありがとう」
「うん!何か高そうなお菓子ばっかりだね、それにいつも部活の時も差し入れしてくれてたし」
「全部貰い物で期限とかあるからさ、みんなに食べて欲しいから」
「私、いつも楽しみだった」
「まだ沢山あるよ、持って来ようか?」
「でも、それは高島くんの頂き物だからちゃんと食べなきゃ」
「多すぎんだよ……太りたくないしさ、部活引退してから体重増えるし、体質だなぁ」
「あっ」
彼女は門に走って行きお弁当を受け取った
「あと10分だ」
急いでお弁当を開けて食べ始める
「はい、ウインナーあげる、あーん」
僕は口を開けた
「あっ、辛」
「辛いの苦手?最近辛いのあるでしょ」
「食べたことなかったからちょっとびっくりしただけ、ソーセージが辛いっていうのが頭になかったから」