(承) 学生時代 (1) 同人活動
学生生活、は…
面白かった!
子どもの頃には。
難民キャンプでは…
周りには、いなかった。
自分と同じくらい、頭の回転が速くて…
理解力も好奇心も、同じくらいの、
…仲間!
『天才児クラス』の学級仲間は…
元々の学年や実年齢や。
出身地や言語や、宗教の有無や宗派や、生活習慣や… は、
すべてが、異なっていて!
それだけでも面白かったが。
その『発見する違い』の、『着眼点の違い』や。
『それに対応する態度』の選び方や
『分析と論評』などなど…
が!
『違い』や『個性』が『あること』自体が。
面白くて。
しばらくの間、トキは眼をきらきらさせて。
過剰に…
精神的に、過労になるほどに…
『人間関係』というものの深みに。
ぐんぐん。
のめりこんでいった。
*
まぁ具体的には。
学級の『一般常識』授業なんかは、軽く放り出してしまって。
みんなで図書館の一隅により集まって。
珍しい事象の、珍しい解析結果について、ディスカッションしたり。
一般人エリアの飲食店に繰り出して。
価格設定と原価と企業の収益率とを考察して酷評し冷笑しながら。
文化と人類の食欲と性的恋愛的共食行動の心理学的行動関係について、
考察したり。
しながら…
とにかく、食べたり!
喋ったり!
笑ったり!
食べ歩いたり!
歌ったり!
踊ったり!
ナンパ!
…してみたり…!
それまであまり触れる機会のなかった…
多ジャンルの音楽を。
勧められるままに。
次々と聴いたり。
生の演劇や演奏を!
舞台で観たり!
『芸能人』と。じかに喋って。
質問したり!
されたり!
…そんな。刺激的な、日々だ。
*
「…そこまでハマるとは思わなかったなぁ…
今まで結構やっぱり、寂しかったわけだねぇ…
ごめんね?」
映話の画面の向うで。
育ての親が苦笑して謝罪するのを。
トキは大慌てで、全力で否定した。
「本物の一流の大人のひとたちから、現場で色々習えたのは、本当に愉しかったよ!
でもそれとこれとは別腹!」
「別腹かw」
そんな風にして、数年があっという間に過ぎた。
*
もうひとつ、この時期に。
トキがハマったもの。といえば。
…そう。
皆さんとっくにご存知の…
二次創作・同人作家活動、だ。
「実学的にはありえない!
全然まったく『科学的』じゃない!
『SF』&IF設定」だの、
「誰がそんな無茶な技術を考え出したんだ! むしろFTじゃないのか!」
と。
突っ込みたくなる…
娯楽的、冒険的、
ちょっとエロかったりもする…
エンタメ作品群の。
キャラクター造形が…
面白い!
*
当初。
オリジナル作品を。
いくつか書こうと…
試みてみて。
トキは自分には
「ゼロからの完全なる創作」(巨匠トールキンが語るところの…『準創造』)
特に、『人物像(キャラクター)を、無の闇の中から産み出す』という…
才能は。
残念ながら、宿っていないことを、
…悟った。
人生、初めての挫折。
…だったと、後年、彼自身が自伝で語っているが…
次いで彼は。
『大好きな他人作品のキャラクターを使って、』
『オリジナルなIF展開を仮定し、独自案で演繹する』という…
いわゆる『二次創作』作業に萌えた。
この方面には、いささかの才気を見せて。
『 騎士世 彼方 』(きしよ・かなた)の筆名で。
発表された某SF風味の架空の歴史大作の。
IF設定な作品群は。
元ネタ小説の新旧ファンたちから、大きな支持を得る。
『 天才!中学生?作家、現る! 』という見出しが。
彼の存在が世に知られた、最初の雑誌記事となった。
*
そして再びトキは、『はるかに年上』の。
『世に一流と呼ばれる』おとなたち、と。
そして。
それまでとは違って…
幅広く、様々なジャンルの…
第一線で活躍する、『文化人』や『芸能人』や『芸術家』。
また、『資産家』『企業家』とも呼ばれる、文化活動支援者の。
大人たちと…
交流を、持つようになった。